柳澤厚生労働大臣は、去る1月27日に島根県松江市で開催された自民党島根県議の決起集会で、人口推計について説明する中で、「産む機械と言ってはなんだが、装置の数が決まったとなると、機械と言っては申し訳ないが、機械と言ってごめんなさいね、あとは産む役目の人が1人頭で頑張ってもらうしかない」と発言したと伝えられています。
この発言について柳澤厚生労働大臣は、1月28日に厚生労働省内で釈明。「少子化問題はわかりにくいので、モノの生産に例えて機械などという表現を使った。適切でないと気づき、言い換えた。女性を蔑視(べっし)する考えは全くなかった」などと陳謝し、安倍晋三首相は厳重に注意したとされています。
しかし、今回の発言は、このような陳謝と厳重注意だけで済む問題ではありません。
女性・国民を「機械」と例えること自体、言語道断であり、厚生労働大臣としての資質が厳しく問われるべき内容です。
「あとは産む役目の人が1人頭で頑張ってもらうしかない」との発言は、少子化は、女性が頑張って子どもを産みさえすれば解決する問題との認識を大臣がしていることを図らずも吐露したものです。少子化の原因は労働環境を含め、様々な要因があることが多くの方々から指摘されているところであり、その少子化対策を推進する重要な省庁が厚生労働省であることは、いうまでもありません。
少子化問題解決のために、社会的支援政策が効を奏していることは、諸外国の例からも明らかになっています。それにも関わらず、1月28日の釈明で「少子化問題がわかりにくいので、モノの生産に例えて機械などという表現を使った」と弁明したこと自体、厚生労働大臣として不適格といわざるを得ません。
国民の命と健康を守り、地域で診療を行う開業保険医の団体として、厚生労働行政のトップである柳澤厚生労働大臣の今回の発言は、絶対に許すことができません。
また、このような発言を行った厚生労働大臣を厳重注意だけですまそうとする安倍晋三首相の責任も厳しく問われてしかるべきです。
当会は、柳澤厚生労働大臣の辞任を強く求めるものです。