「中原利郎先生」の過労死認定について、3月14日に出された東京地方裁判所の原告勝訴の判決に対し、国は控訴を断念しこの判決を受け入れました。
小児科医師の過労死の中で、自殺事案で労災と認められた初めてのケースとなることからその意義は大きいといえます。判決同様に現今の医師不足、医師労働問題から日本の医療を憂える人々に肯定的な労基法サイドの決定となるものであり基本的に歓迎します。
今もなお、日本では小児科医師のみならず、産婦人科医や緊急呼び出しの多い診療科で働く医師の多くが過労死の危険にさらされています。
この国の医療が現在の水準を保ち、さらに発展する医療技術を安全に取り入れてゆくならば、総医療費を増やし、医療に携わる技術者の総量を増やす以外にないことが改めて明らかとなりました。
国はこの判決を重く受け止め、第二、第三の中原医師を決して出さないよう、過酷な医師の労働実態を是正する措置を早急に講じるよう強く求めます。
われわれは引き続き日本の医療の核心を占める医師不足問題のひとつに位置づけ、重大な関心をもって支援を続けるものです。