後期高齢者医療制度の実施中止・撤回を改めて要求します
野党四党の廃止法案提出を受けて
2008年2月29日
全国保険医団体連合会
会 長 住江 憲勇
昨日2月28日、野党四党は共同で「後期高齢者医療制度廃止法案」を衆議院に提出しました。衆議院への法案の野党共同提出は、昨年の参議院選挙以降、初めてです。
後期高齢者医療制度は、生活保護世帯を除き、従来の被扶養者も含めた75歳以上の全国民から保険料を徴収し、給付が増えれば負担も増えるという過酷な制度です。病気に罹りやすく、ケガをしやすい高齢者だけを集めた保険制度を多くの国民の反対を押し切って創設し、その結果生じる負担を地方自治体と国民の自己責任に帰すことは断じて許されません。
また、この制度の実施に伴い、4月1日から実施される診療報酬改定では75歳以上のみを対象にした診療報酬が設定されます。医療費「適正化」路線のもと、今後、後期高齢者の医療が現役世代に比べて限定的・抑制的になる危険性が高いのです。すでに、療養病床の削減・廃止計画により、高齢者は病院からの退院を余儀なくされています。
多くの国民が、後期高齢者医療制度の具体的な内容について十分に知らされていません。事態を知った高齢者からは、「わずかな年金から、本人の同意もなく保険料を天引きするのはひどい」「私たちの医療はどうなるのか」「これからも同じ先生に診てもらえるのか」など、悲痛な訴えをされています。
福田首相は、「年を取って良かったなあと言うことが実感出来るような社会にしたい」と1月28日の衆議院予算委員会で答弁しています。国の責任において明るく、豊かな高齢期を保障する立場に立って与党にはすみやかに本法案の審議に応じることを求めるとともに、改めて後期高齢者医療制度の実施中止・撤回を要求します。
以上