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原爆症認定集団訴訟での仙台高裁判決をうけて

2008年5月29日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

23日、仙台高等裁判所は、原爆症認定仙台集団訴訟の判決で、第1審原告の2人について、厚生労働大臣の認定申請却下処分を取り消す旨の原判決を維持し、第1審原告らの勝訴の判決を言い渡しました。
  この判決は、厚生労働省が示した「新しい審査の方針」がだされた直後の高等裁判所の判決です。
  判決では、「1審被告大臣は、……被爆者援護法の制定の経緯、同法前文に示された救済の精神に照らすと、いささか柔軟な対応に欠けていたものといわざるを得ない」と指摘するなど、これまでの国の行ってきた被爆者行政の誤りがさらに明らかとなりました。
  唯一被爆国で、憲法9条をもつ日本政府がおこなう被爆者援護行政と平和外交に世界の各国政府と諸国民が注目しています。
国、厚生労働省は、高齢化した被爆者の現状も深刻に受け止め、上訴を断念し、これまでの誤った被爆者行政を改め、いま全国でおこなわれている集団認定訴訟を直ちに全面的に解決すべきです。
さらに、日本政府が、G8での首脳会議および関連閣僚会議において、議長国として「核兵器廃絶」を議題として提唱し、緊急課題として国連と核保有国をはじめ、すべての国の政府に対し、核兵器全面禁止・廃絶の国際協定の実現にむけ、すみやかに協議を開始するよう働きかけること。また、この機会に被爆者代表にも参加してもらい、被爆写真展示などを企画するなどして、核の惨禍の実相を広く国際的に知らせることなどでイニシアチブを発揮するよう強く求めます。