ホーム

2008年 9月26日
全国保険医団体連合会
歯科代表  宇佐美 宏


東京地裁の海外委託技工訴訟判決に抗議する

 

 全国の歯科技工士81人が、東京地方裁判所に起こしていた海外への技工物の委託禁止などを求める訴訟の判決が9月26日午後1時15分に下され、「原告らの本件確認の訴えをいずれも却下する」、「原告らの訴えに係る請求をいずれも棄却する」とした。

 私たちは全国3万7千余を擁する開業歯科保険医の団体として、厚生労働省が「国外で作成された補てつ物の取扱いについて」(平成17年通達)を出して容認している海外委託技工政策について、安全な歯科技工物を保険で安心して供給・確保するという観点から、海外委託技工緊急調査を実施するなど海外技工問題を社会に提起し、同通達の撤回を求めてきた。
また今日、輸入食品等の安全性が大きな社会問題となっており、食品や医薬品をはじめ海外輸入物に対する国民の不安や関心は高まっている。

 こうした中で出された、原告の訴えを却下し、その結果安全性の保障のない海外委託技工物を容認することとなる東京地裁判決に、私たちは強く抗議する。

 歯科技工物は、咀嚼・発音などの機能回復に重要な役割を有し、健康維持や療養・介護にとって不可欠なことが近年の厚生労働科学研究等で実証されてきている。

 私たちは今後も、国内で安心、安全な歯科技工物を保険で確保するという立場で、原告団などとも協力、共同して、安全性の保障のない海外委託技工物を容認している厚労省政策の撤回を求めて運動するものである。

                 
以上