2008年11月25日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
声 明
外来管理加算「5分ルール」
地域医療に与える影響甚大、検証以前の問題であり、即時撤廃を望む
外来管理加算5分ルール。かつて、これほど医師の勤労意欲を削ぐルールがあったであろうか。医師を愚弄したルールがあったであろうか。
11月5日に開催された中医協診療報酬改定結果検証部会で、「外来管理加算の意義付けの見直しの影響調査」が決定した。しかし、調査内容(案)は複数の中医協委員から要望されていた財政影響を把握できるものではなく、多くの医療関係者が望んでいた影響調査とはなっていない。医療現場からは5分ルールによる減収が予想をはるかに超えるものであり、地域医療の崩壊を危惧する声が噴出している。本会の行った調査では影響額は推計で600〜800億円に達し、本来財政支援がなされるべき産科、小児科、さらには、公的病院、中小病院にも深刻な減収をもたらしている。医療現場に与えている影響は放置できないほど重大な状態である。
11月19日に行われた中医協総会では、調査内容に踏み込んだ議論はなされなかったが、「基本診療料の検討の進め方について(案)」との文書が提案された。その議論の中では個別具体的な問題で検討するのではなく、「全体として議論を」との主張がされている。しかし、そもそも今回は診療報酬マイナス0.82%であり、トータルバランス論自体、成り立ちようがない。しかも改定前の議論では、全体の削減額は、個別の点数の削減影響額を積み上げて算出されており、外来管理加算について言えば、勤務医対策として、デジタル映像化処理加算と併せても約200億円を捻出するとされていた。推計といえども最大で4倍以上の乖離は、他の診療報酬項目の増減と併せて平準化されるとはとても言えない額となっている。
このことを深刻に受け止めていただき、いたずらに検証に時間を費やすのではなく、即刻、外来管理加算5ルールを撤廃されんことを切に望むものである。