厚生労働大臣 長妻 昭 殿
厚生労働副大臣 長浜 博行 殿
厚生労働政務官 足立 信也 殿
2009年11月10日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
中医協資料に異議あり!20%減はあり得ない。
エビデンスに基づいた正確な資料の提出を求める。
11月6日、中医協診療報酬基本問題小委員会に「社会医療診療行為別調査」結果を基にした、初・再診料に関する資料(中医協 診-2)が提出された。
同資料2ページの平成19年と20年の初・再診料の実施件数、算定回数の比較で、診療所において、再診料の実施件数はマイナス19.4%、算定回数はマイナス20.4%も減少している。入院外レセプト件数も診療所ではマイナス19.8%である。
ところが、メディアス(医療費の動向 制度別医療機関種類別 医療費 2009a.xls)の数値でみると、平成20年の診療所の入院外レセプト件数は、0.2%増とほとんど変化がない(別紙)。
事務局(厚生労働省保険局医療課)によれば、平成20年社会医療診療行為別調査の診療所入院外データについては、人工腎臓の影響を補正するためワーキンググループで特別集計したデータを使用したとのことであった。
7月15日、中医協において、社会医療診療行為別調査とメディアスの乖離が報告され、その原因を究明するためにワーキンググループが設置された。
7月28日、保団連は社会医療診療行為別調査とメディアスの乖離を分析し、その原因として以下の3点をあげている。
@総点数が例年より低く推計された。
A総件数が例年より低く推計され、その程度は総点数の推計減の程度より大きい。
B処置の点数が不自然に高く(透析が原因と推定)、全体に影響を及ぼした。
9月30日、ワーキンググループは中医協において「今回の社会医療診療行為別調査と医療費の動向の乖離の原因は、入院外内科診療所における人工腎臓の伸びにあると考えられた。」と報告しているが、保団連の指摘した@Aについては考慮されていない。
11月6日の中医協資料は社会医療診療行為別調査の数値に不完全な補正式を機械的に当てはめたために生じた不正確なものである。入院外診療所の件数の20%もの乖離は、初・再診料を議論する上での基礎資料としては不適格であり、現実に診療所の再診料の実施件数、算定回数が20%も減少することはあり得ない。
適正な中医協の議論のために、エビデンスに基づいた正確な資料の提出を求めるものである。