厚生労働大臣 長妻 昭 殿
2009年12月14日
全国保険医団体連合会
会長 住江憲勇
レセプト電子請求に関する要請
省令を改正し、レセプトオンライン請求の義務化を撤廃された貴職の英断に心より敬意を表します。
当会は、医療機関、政府、厚生労働省そして国民を交えた議論の中で、保健・医療の発展につながる真のIT化を目指しております。
その実現のために、レセプト電子請求に関するいまだ未解決の問題について、下記の点を要請するものであります。
1.電子請求により集約されたデータが医療費抑制のために利用されたり、営利企業の儲けの対象とされることがないように、使用目的を明確にし、目的外の使用を禁止すること。
2.レセプトデータには極めてデリケートな患者個人情報が含まれる。国民、医療機関が患者個人情報の漏洩の危惧を抱くことなく、安心して電子請求を行うことができるようにセキュリティ管理体制を強化すること。
3.いかに強固なセキュリティをもってしても情報漏洩を完全には防止することはできない。患者によっては電子請求を希望しない場合があり、患者が希望した場合にはレセプトの書面での提出を可能とすること。
4.「医学的判断を自動化することは医療のあり方を否定するに等しく、」とした支払基金の見解は当然である。コンピュータにより自動的、画一的に審査、評価を行うようなシステムは導入しないこと。
5.診療報酬は行った医療行為の対価として支払われるものであるため、電子請求に対して診療報酬上のインセンティブを設けないこと。
6.医師、歯科医師はどのような方式で保険請求を行うか選択する権利を有する。保険請求は書面請求又は電子媒体若しくはオンライン請求のいずれでも行えるようにすること。
以上