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高速増殖炉「もんじゅ」の運転再開に反対する
―原発推進政策の見直しを

                        2010年4月18日
                         全国保険医団体連合会
                      公害環境対策部長 野本哲夫

 1995年のナトリウム漏れ・火災事故以来14年間停止している、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」について、政府は、長期的なエネルギーの安定供給と地球温暖化対策のために重要として、原子力安全委員会の評価を受け、早期の運転再開を強行しようとしている。
耐震安全性について、経済産業省原子力安全・保安院が承認してから、僅か3日後に原子力安全委員会が妥当の結論を出したのは、原子力研究開発機構が早期の再開を求めていたことを受けた、結論ありきの対応と言わざるを得ない。
「もんじゅ」がある敦賀半島とその周辺には、原子力研究開発機構が耐震安全性を評価するために選定した活断層だけでも5つ存在している。活断層が集中する場所に立地する危険な高速増殖炉の運転再開には、周辺住民をはじめ、多くの国民や専門家から不安や批判の声があがっている。そもそも、活断層が集中する場所に「もんじゅ」をつくること自体、異常である。
最近、中国電力の島根原発1、2号機で123件の点検漏れが明らかになったように、原発のずさんな安全管理が後を絶たない。このような中で、燃料に毒性の強いプルトニウムを使用し、冷却材に水や空気に触れると激しく反応するナトリウムを使うなど、通常の原発以上に危険性の高い「もんじゅ」の運転再開を強行しようしているのは、国民の生命をないがしろにする政府の原発推進政策によるものである。
  本会は、国民のいのちと健康を守る医師、歯科医師の団体として、政府に、原発推進政策を見直し、「もんじゅ」の運転を再開しないよう強く要求する。