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                                       2010年4月20日
厚生労働大臣 長妻昭 殿

全国保険医団体連合会
医科社保・審査対策部 部長 八木秀満

2以上の医療機関が同一の患者について異なる在宅療養指導管理を行っている場合の在宅診療報酬算定方法の取扱いの撤回を求めます。

 2010年度の診療報酬改定で、在宅の部の通則の変更により在宅療養支援診療所(又は在宅療養支援病院)から患者の紹介を受けた保険医療機関が、紹介元と異なる在宅療養指導管理を行った場合、紹介が行われた月に限り、在宅療養指導管理料を算定できることとされました。
しかし従前は、2以上の医療機関が同一の患者について異なる在宅療養指導管理を行っていた場合は、それぞれの指導管理料の算定要件を満たしていれば、それぞれの医療機関で在宅療養指導管理料が算定できていました。
今回改定でのこのような取扱いは、これまでの点数表の運用実態に逆行する不合理な内容です。例えば、高度肥満で糖尿病と睡眠時無呼吸症候群を併せ持つ患者について、複数の医療機関の医師で在宅療養指導管理を行う場合に次のようなケースが起こると考えられます。糖尿病を専門分野とする医療機関Aの医師が在宅自己注射指導管理料を、別の呼吸器科の医療機関Bの医師が在宅持続陽圧呼吸指導管理料を算定しようとするケースでは、従来はそれぞれの点数が算定できていましたが、今次改定では一方が算定できなくなると考えられます。このような取扱いは、在宅医療を担う医療機関だけでなく、在宅で療養する患者にとっても不合理です。
在宅医療に限らず、今次改定では、医療機関の連携が重視されましたが、在宅療養指導管理の通則の変更はこの流れに逆行するものです。医療機関同士の連携を重視するというのであれば、複数の医療機関に係わる指導管理料の算定制限は設けるべきではありません。
以上のことから、下記要請いたします。

一、2010年度改定で「在宅療養指導管理料」の通則3で示された取扱いを撤回すること

以上