ホーム

 

贈収賄事件の徹底解明と指導、監査の抜本的改善を要求する

2010年10月3日
全国保険医団体連合会第9回理事会

 

9月25日、コンタクトレンズ(CL)診療所への指導、監査を巡り、現職の厚生労働省課長補佐(年金局国際年金課)が収賄容疑で大阪府警捜査2課に逮捕された。報道によると、同課長補佐は保険局医療課指導監査室の特別医療指導監査官在任中に、CL販売チェーン社長ら(贈賄容疑で逮捕)に対し同チェーンが実質的に運営する診療所への監査を免れる方法を教える見返りに、1500万円ともいわれる現金を受け取ったとされている。また、関連する診療所が個別指導の対象に選定されていたにもかかわらず、実際には指導を免れたとの一部報道もある。仮にこれらが事実とすれば、指導、監査制度の根幹を揺るがす重大事件である。

一方で、過去、理不尽な指導、監査を苦に自ら命を絶つ保険医が続出するなど、数々の問題が指摘されてきた。もとより贈賄側のCL販売業者の行為は言語道断であるが、現行の指導大綱、監査要綱が、行政手続法が施行された際にも抜本的な見直しが一切行われず、数々の問題を含んだまま運用されていることが問題の本源といえよう。

直近では現職の医療指導管理官が「指導監査部門に捜査2課から出向者を受け入れるなど犯罪捜査の手法を指導監査に活用せよ」とする提案を厚労省内政策コンテストに提出し、保険医を指導の段階から犯罪容疑者扱いするものであると医療関係者から厳しい批判を受け、厚労省自身の指導、監査に対する姿勢に疑問を持たれたばかりである。

本会は、厚労省に対し、事件真相の徹底的な解明と、政策コンテストの件も含め指導、監査を担当する厚労省職員の綱紀粛正及び指導、監査制度の抜本的改善を改めて要求するものである。

以上