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2010年12月16日

厚生労働大臣 細川 律夫 殿

さらなる薬剤費の増加につながる
「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の即時撤廃を

全国保険医団体連合会


  私どもは、保険診療の充実で、医師も患者もともに喜べる医療のために、日々地域の第一線医療に携わっている全国の開業及び勤務の医科・歯科保険医10万3千人を擁する団体です。全国47都道府県にある51の保険医協会、保険医会の連合会です。
2010年4月の診療報酬・薬価改定時に、新たな薬価制度として「新薬創出・適応外薬解消等加算」(以下「新薬加算」と略す。)が試験的に導入されました。私たちは、以下の理由により、次回の薬価改定を待たずに即時撤回を要望するものです。

【理由】
1.次回の薬価改定で再び「新薬加算」を得るために製薬企業や卸売業者は、対象となる新薬を平均乖離率の範囲内で医療機関や保険薬局に販売することとなります。このことは公正取引委員会も認める、医薬品流通における自由な経済取引を阻害することにつながります。

2.「新薬加算」で高薬価が維持されるための原資は、結果的には国家予算ならびに自治体をはじめとした保険者、被保険者、患者に依存することになります。「ドラッグ・ラグ」解消のためのインセンティブの費用を国民医療費や患者負担に依存することは正しいことではありません。

3.「ドラッグ・ラグ」解消のためには「新薬加算」のみで解決できるものではありません。海外で行われているようなコンパッショネートユースなど、総合的な議論と検討によって対応すべきです。

4.今後「新薬加算」が継続されたとすれば、薬剤費が膨張することは確実で、結果的にわが国の医療費高騰を助長するものになります。

以上