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アメリカ合衆国
大統領 バラク・オバマ 殿

2011年5月27日
全国保険医団体連合会
非核・平和部長 永瀬 勉

新たな核実験に強く抗議し、「核なき世界」への努力を求める


  本会は日本の医師・歯科医師10万3千人でつくる団体である。『開業医宣言』を持ち、その中で「憲法の理念を体して平和を脅かす動きに反対し、核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任である」ことを確認している。

貴国はプルトニウムを使った核兵器の性能を調べる新たな核実験を昨年11月と今年3月に行ったことを公表した。この実験は「核兵器の安全性と有効性を維持するというオバマ政権の方針の実践」といわれている。

しかし今回の核実験は、貴殿が2009年4月にプラハで行った演説の「核なき世界に向けた国際社会への働きかけ」や、その後のノーベル平和賞受賞への重大な背信行為であり、私たちは今回の核実験に強く抗議する。 今こそ、貴殿は自らの演説の基本に立ち戻り、核兵器廃絶への主導的役割を果たすため努力するよう求めるものである。

日本はいま、福島第一原発事故の放射能汚染によって国民の生命が脅かされ、経済や社会に深刻な影響が出ている。そうした中、もし核兵器が使用されれば人類の生存そのものが脅かされることは間違いない。こうした深刻な事態を解決する唯一の方法は、核兵器の廃絶である。

私たちは、核戦争反対、核兵器廃絶を求める被爆国の医師団体として、貴殿並びに貴国が「核なき世界」の目標を高く掲げ、包括的核実験禁止条約の批准、核兵器全面禁止条約の実現をめざすよう強く求めるものである。

以上