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誰もが受けられる医療を守り抜く  TPP参加断念を求める理事会声明

 

 野田総理大臣は11月11日、国民生活のあらゆる分野に深くかかわるTPP交渉への参加方針を表明した。
「公的医療保険制度は交渉の対象にはなっていない」と国民に説明していた政府が、「混合診療の全面解禁がTPPで議論される可能性はある」と認めたのは、わずか4日前の7日である。医療にどのような影響があるのか、十分な説明はされていない。玄葉外務大臣は衆議院予算委員会の答弁で、「貿易自由化交渉のテーブルには、すべてを載せるのが原則だ」と述べている。
 TPP交渉参加国の多くは民間医療保険と競合するような公的医療保険制度はなく、日本が交渉参加すれば、民間医療保険と競合するとの理由で、混合診療や薬価だけでなく、営利企業による医療の提供、医薬品の安全確保など公的医療保険制度にかかわるさまざまな問題が議論の対象となることが危惧される。
 公的医療保険制度が非関税障壁とされ、市場開放の対象となるならば、「誰でも」「どこでも」「いつでも」保険医療が受けられる世界でも優れた日本の国民皆保険制度の崩壊につながることは必至である。
 われわれは、誰もが平等に受けられる医療を守り抜くために、TPPに不安を抱くすべての人々と共同して、TPP参加を断固として断念させるため、国民的運動に全力を挙げることを表明する。

2011年11月13日
全国保険医団体連合会 第22回理事会