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2012年2月6日

水俣病救済申請期限の撤回を求める

全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本 哲夫

 

 政府は、2月3日、患者団体等の強い反対を押し切って、水俣病特措法に基づく救済措置の申請を今年7月末で締め切ることを発表した。
救済措置の申請については、未だ周知が徹底されているとはいえず、申請期限の設定は、特措法が掲げる「あたう限りすべて救済」にも反するものである。本会は、昨年12月に、特措法による申請の締め切りに反対を表明したが、改めて、申請期限の撤回を求めたい。
不知火患者会が1月22日に、熊本、鹿児島両県などで実施した水俣病検診では、受診した約400人のうち9割の人が水俣病と診断されている。昨年10月の熊本県芦北町黒岩地区における住民検診でも、受診した39人のうち37人に水俣病に特徴的な症状があることが確認されている。
特措法による救済申請者も、2010年5月1日の受付開始から、熊本、鹿児島、新潟三県で5万人近くに達し、今も途絶えることはない。
このように、今も潜在被害者が多数存在することが明らかになっている現状で、申請を打ち切ることは、患者切り捨てにつながるものである。
特措法の目的である、救済を受けるべき人々がすべて救済されるために、大規模な健康調査を国の責任で実施し、まず被害の全容を明らかにすべきである。
本会は、7月末とされた水俣病特措法による申請期限の撤回と、行政による大規模な健康調査を実施することを強く求める。

以上