内閣総理大臣 復興特別法人税の前倒し廃止の検討に抗議する
政府は、消費税8%への引上げに伴う「景気腰折れ」対策を口実として、年間9000億円に及ぶ復興特別法人税の1年前倒しでの廃止を検討し、更なる法人実効税率の引き下げも模索している。しかし、企業減税は腰折れ対策にはなりえない。腰折れそのものの原因は、国民の購買力の低下によるものであり、まず消費税増税の中止こそが求められている。 そもそも、復興特別法人税は、増税ともいえない。法人税率等5%の引き下げに対して法人税額1割分を上乗せするだけであり、単に減税幅を圧縮するにすぎない。国民には、文字通り、所得税増税を25年、住民税増税を10年と長期に課す一方、わずか3年の復興特別法人税を前倒しで廃止し、更に減税幅を広げ、大企業に減税の恩恵を及ぼすなど、到底、国民の納得は得られるものではない。 依然、仮設住宅に10万人以上の被災者が暮らし、二重ローンの買取決定数等は相談件数の1割弱である。県外避難者の間には、避難生活のストレスや体調変化による医療機関受診が5割強にのぼり、内1割強が精神科・心療内科に行ったとも報道されている(毎日新聞調査)。震災に伴う様々な疲弊・疲労が重なる中、国は被災者への医療・介護費用の全額支援を打ち切り、復興途上の自治体にその負担を転嫁している。 患者・国民のいのちと健康を守る医療者として、我が国の郷土・風土を愛する一国民として、本理事会は、政府に対して、復興特別法人税の前倒し廃止の検討を撤回し、即時に全ての被災者に医療費等の免除を国が責任をもって保障するよう強く求めるものである。 |