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【抗議】ウクライナ紛争での「核兵器使用の準備」発言に抗議する

2015年3月19日

ロシア連邦大統領
ウラジーミル・プーチン 殿

全国保険医団体連合会
非核平和部長 永瀬 勉

 貴殿は、3月15日、国営テレビ放送にてウクライナで昨年2月に親ロシアのヤヌコビッチ政権が崩壊し親欧米派が政権を掌握した際、核兵器使用の準備をするようロシア軍に指示したことを明らかにした。
5年前のNPT再検討会議では、「核兵器のない世界の平和と安全」を達成することが合意され、非核兵器国や市民社会がその実施に向けて努力し、4月から始まる再検討会議に大いに期待を寄せている。

 日本を含む圧倒的多数の国々が、核兵器の非人道性に関する共同声明に賛同を表明し、昨年12月には、核保有国も同会議に参加する中、核保有国に核兵器禁止条約の締結を迫ってきた。

 こうした中、地域紛争を有利に進めるため、公然と核兵器使用準備を指示したことは、核廃絶を願う国際社会への挑戦である。

 核兵器は一度使用されると人類社会に対する直接的な被害にとどまらず、環境破壊や食料危機などにより数億人の命が失われる。いかなる理由があろうとも使用してはならないし人類社会と共存できない。

 貴殿の発言は、核保有国への威嚇という核抑止力を誇示し、地域紛争解決を優位に進める意図があると報道されているが、地域紛争を助長し核使用の機会創出という逆の結果を招くものであり、「冷戦時代の核兵器使用による人類破滅の危機」を想起させるものである。

 核兵器使用に伴う健康障害は、現代医療では取り除くことができない。被爆国の医師・歯科医師として核兵器の使用を前提にした発言に強い怒りをこめて抗議するとともに、すべての核保有国にただちに核兵器を廃絶することを求める。

以上