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【声明】沖縄県民に連帯し辺野古新基地建設に反対する

2015年4月19日

全国保険医団体連合会 第16回理事会

 

 沖縄では辺野古新基地建設に向けた調査作業が強行されている。この間、沖縄防衛局は、翁長雄志知事の作業停止指示も無視し、沖縄県民の意志に真っ向から対立してきた。

 政府は、この問題で、沖縄との話し合いを拒否してきたが、世論に押され、4月5日、菅官房長官は、翁長沖縄県知事と会談した。会談の席上で、菅長官は、「辺野古の新基地建設は、市街地にある普天間基地の危険性除去のための唯一の解決策であり、抑止力のために新基地建設は必要」と政府の立場を繰り返した。訪米前の17日に安倍首相が翁長知事との会談に応じたが、日米合意の履行に取り組む姿勢を示すものでしかない。

 翁長知事は、昨年11月の知事選で基地建設反対を掲げ、大差で選出され、県内マスコミの調査でも沖縄県民の世論は引き続き翁長知事の行動を支持している。翁長知事は、菅官房長官、安倍首相との会談を通じて、沖縄県民の意志として、「辺野古に新基地を建設できない」ことを伝えた。

 こうした動きと並行して、日米防衛相会談が4月8日に行われ、「沖縄県名護市辺野古への米軍新基地建設が普天間基地(同県宜野湾市)の継続使用を避ける『唯一の解決策』であることを確認した。日米軍事協力の指針(ガイドライン)再改定に向けて、作業を加速させ、27日にも正式合意を予定している。

 沖縄県民の民意を無視し、米国との軍事戦略を優先させ、権力を振りかざす安倍政権の暴走政治がいよいよ鮮明となった。

 安倍政権は、安保法制の今国会成立に向けて、4月中の与党合意、5月中の国会提出、8月までの会期延長も視野に結論ありきの国会運営を行おうとしている。

 集団的自衛権の具体化である安保法制の整備は、米軍基地強化と東アジアでの米軍のプレゼンスを補完する自衛隊の役割強化、つまり戦争遂行能力の強化が主目的である。そうなれば、自衛隊と米軍の一体化が進み、日本全土の日米軍事基地から海外へ出動し軍事力行使が実行されることとなる。

 菅官房長官は、国民の安全を守る「抑止力維持」としての辺野古新基地建設を主張したが、辺野古新基地は、耐用年数が過ぎた基地を作り替え、新たな基地建設で出撃機能を強化するものでしかない。安倍首相の言う「積極的平和主義」「人道支援」の名の下に海外軍事作戦に随行することは戦前のように海外で再び戦争すること、血を流す協力が求められることとなり、日本人が世界のテロ等の標的になることも避けられない。

 沖縄は、戦中の沖縄戦の犠牲、戦後の占領時代は、海外で紛争・戦争での出撃基地とされ常に戦争の脅威にさらされてきた。他国からの攻撃対象となる脅威、テロからの脅威、ひいては観光業を主力とする沖縄経済が低迷を招くなど多大な犠牲を強いられてきた。

 安保法制の整備、辺野古新基地建設でこうした苦しみが強まるとともに、本土で暮らす住民にもその苦難が再現されることとなる。

 だからこそ、沖縄県民の民意と翁長知事を先頭とした島ぐるみの戦いは、決して沖縄県民だけの戦いではなく、日本国民全員の命、暮らし、環境を守る戦いである。

 保団連は、集団的自衛権行使の閣議決定撤回とその具体化、与党・共同文書の撤回、安保法制の整備の撤回を求めてきたが、辺野古新基地建設反対の先頭に立ち行動している翁長県知事を支持するとともに、沖縄県民に連帯し、平和と命を守るため行動することを宣言する。

以上