ホーム

※7月16日に以下の要望書を厚労大臣、財務大臣、中医協委員宛に送付いたしました。

【要望】「新薬創出等加算」の次期薬価改定での撤廃を
強く求める緊急要望

2015年7月16日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
政策部長 三浦 清春

 

  国民の健康と医療の確保に対するご尽力に敬意を表します。 さて、2010年度薬価改定より試行的に実施されている「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」(以下、新薬創出等加算)の対象品目の薬剤費が、総薬剤費の30%まで拡大されています。2012年度薬価改定以降、当初加算対象から除外されてきたARB製剤など「市場が大きく、参入している品目が多い領域」の医薬品が多数含まれ、まさに「何でもあり」の様相を呈しています。
 財務省の財政制度等審議会財政制度分科会(4月27日)において提出された財務省主計局資料は「適応外薬解消にまで公費を含めた助成が必要なのか」等の観点から「その意義を改めて精査する必要」があると新薬創出等加算のあり方そのものについて厳しく問いかけています。
 当会は、制度発足以来、「製薬企業に対しては従前から税制優遇等さまざまな過保護政策が取られており、総体として利益水準は極めて高い。これ以上、新薬創出等加算によって貴重な医療費財源を浪費して、患者負担を増やすことは許されない」と、即時撤廃を求めてきました。
 私たちは、主として以下の理由により、新薬創出等加算の次期薬価改定での撤廃を強く要望いたします。

【主たる理由】

1.日本の新薬の薬価は、欧州諸国に比し1.5〜2倍と高く(保団連調査、厚労省調査より)、また、有用性のあるものはすでに、画期性加算などで評価されています。このうえさらに、値引きしなくとも売れる薬が相対的に有用性の高い薬だとして、高い薬価が特許期間中維持されるという制度設計はまったく理解不能です。医療保険財政のむだと言わざるを得ません。

2.医療保険財政の改善が大きな政策課題とされる中、新薬創出等加算は製薬企業への過度な優遇措置であり、製薬企業の収益性や財務分析からも、後発医薬品が上市される期間(平均12.4年)までに開発コストは回収されており創薬体力は十分にあります。

3.制度発足当初は厚生労働省からの指定で「新薬創出等加算」が付けられましたが、2012年度からは製薬企業からの「自発的な手上げ」によって加算対象が広がっています。後発医薬品が上市されていない新薬であれば、すべて加算対象となります。

以上