【声明】リフィル処方箋の導入に反対する
2015年9月13日
全国保険医団体連合会
第21回理事会
患者が一定期間内に繰り返し利用できるリフィル処方箋の導入について、2015年の「規制改革実施計画」は年度内の検討・結論を求めている。患者がリフィル処方箋を使う場合、2回目以降の処方については薬局で体調確認、残薬確認などを行い、特に症状変化、副作用等問題なしと判断されればそのまま処方となる。
しかし、「5週以上の長期処方により患者の様態変化に気付くのが遅れた医師が2割」(日医総研ワーキングペーパーNo.225)などの調査結果が指摘されている。とりわけ、リフィル処方箋の使用が想定される慢性疾患の患者は感染症・合併症の兆候や重篤疾患の初期症状など微細な容態の変化に迅速に気付き的確に対処することが不可欠である。医師の診察を事実上薬局に委ねる形となるリフィル処方箋の導入は、患者の健康確保上から極めて問題が多い。
また、「規制改革実施計画」の狙いは、患者の受診回数を減らすことによって医療費を抑制することにあると考えられるが、早期受診・早期治療という医療の原則に反し、容認できない。加えて、病態が重症化する患者が続出すれば、医療費は却って増えることになる。
中医協でも「体調確認はかかりつけ医の役割」、「患者や保険者の負担増なら反対」との意見が出されており、現在、導入の必要性を求める声もない。
規制改革の名の下に診療現場の議論を経ずに閣議決定される方法も極めて問題である。
目下、議論されている残薬解消、服薬の一元的管理を進める上でも、重複投薬の解消、丁寧な服薬指導の推進、薬局からの疑義照会の質量面の向上、一包化の推進などをより着実に進めることこそが必要である。
以上のことからリフィル処方箋の導入に反対する。
以上