全国保険医団体連合会は9月18日、塩崎 恭久厚生労働大臣及び唐澤 剛厚生労働省保険局長宛に下記の要請書を送付し、9月16日は先立って要請も行いました。
【要請】特定疾患療養管理料における退院後1カ月以内の
算定制限の廃止を求める要請書
2015年9月18日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
貴職におかれましては、日頃の保険医療行政に対するご尽力に敬意を表します。
全国保険医団体連合会(正式略称:保団連)は、全国で約10万5千人の医科・歯科会員を擁する保険医の団体であり、国民医療の向上及び保険医の経営と生活の保障を目的として、医療現場の意見に立脚した診療報酬改善運動を推進しています。
さて、本年3月の京都府保険医協会による会員調査の結果、医科点数表B000特定疾患療養管理料について「入院患者が自院だけでなく“他院”を退院した場合であっても、退院日から起算して1カ月以内には同管理料を算定できない」とする審査上の取扱いがされている事が分かり、「おかしい」「問題だ」という多くの会員の声が寄せられました。そこで本年7〜8月、本会は同管理料に係る算定制限の実態把握を目的として、内科系診療所を対象とする全国調査を実施しました。
その結果、回答のあった5,081医療機関のうち、実に47.9%が「当該算定制限が原因と思われる減点査定」を経験しており、全体の85.0%が「当該算定制限を廃止すべき」或いは「自院の入院に限るべき」と考えている事が分かりました。そもそも外来では、継続的に慢性疾患の管理を行い、患者退院後には治療計画の見直しも含めた対応を実施しています。1日検査入院や眼科等の特定疾患とは関係のない入院も含めて、退院から1月以内は同管理料を算定できない取扱いが全国的に拡大している実態は不合理であり、かかりつけ医療機関として到底納得できるものではありません。
また、世界でも類を見ない超高齢社会を迎えている日本において、外来における慢性疾患の管理の重要性は今後ますます増大することになります。医療提供体制の充実に寄与する観点からも、病院・診療所の連携や、専門医療機関とかかりつけ医の連携が重要であり、これらを阻害する要因にもなりかねません。
以上のことから、本会は特定疾患療養管理料に係る退院後1カ月以内の算定制限の廃止等を強く要望します。別添の全国調査結果を十分に考慮いただき、次回 2016 年度診療報酬改定において、下記の通り改善することを求めます。
記
一.特定疾患療養管理料において、告示・通知で規定されている「退院の日から1カ月以内に行った管理の費用は入院基本料に含まれる」とする規定を廃止すること。特に、当該算定制限を他院での入院にも適用するのは不合理であり、絶対に止めること。
以上