ホーム

 

【声明】日本歯科医師連盟の「迂回献金」の真相究明と
「政治とカネ」問題の解消を
―企業・団体献金を直ちに廃止するよう要求する―

2015年10月4日
全国保険医団体連合会
2014〜2015年度 第22回理事会

 

 今年2月に発覚した日歯連「迂回寄付」疑惑問題は、9月30日、ついに前日歯連会長であり現日本歯科医師会の高木幹正会長、堤直文元日歯連会長、当時の会計責任者だった村田善信元副理事長の3人が政治資金規正法違反容疑で逮捕される事態となった。その後も家宅捜索が続けられており、事件の及ぶ範囲や、これによる影響は計り知れない。
 報道機関各社は、この問題をいっせいに取り上げ、「また政治とカネ問題か」等と指摘するとともに、政治資金規正法の見直しの契機となった2004年に発覚した日歯連「ヤミ献金」事件から10年経ったが何ら反省されていないと非難している。

 保団連は、日歯連の「迂回献金」問題が報じられた当初から、日歯連が引き起こした問題が、@歯科界の痛手であるばかりでなく、患者・国民の歯科医療要求実現を遠ざけることにつながらないか危惧されること。A関係当事者は真相を徹底究明し、患者・国民との信頼の回復と、歯科医療の改善と発展に向けて全力で対処すること。B今後、日歯連盟は、とかく「金権体質」だとの批判の多い組織の見直しをはかり、徹底した体質改善をすることで、改めて再スタートを切ることが歯科界のために必要だと指摘してきた。
 しかし、日歯連は今回の「迂回献金」問題について「法的な問題はない」と繰り返し強弁して今日の事態を招来した。今後の推移によっては、公益社団法人である日本歯科医師会にも重大な影響を及ぼすことも懸念され、患者・国民の歯科医療を守り発展させる上で障害となりかねない。
 日歯連は、前回の「ヤミ献金」事件以後、日本歯科医師会と日本歯科医師連盟は別団体として、組織と活動、会費や財政等を徹底して峻別するとされたが、それまでの強制加入等の押し付けに反発して、多くの日歯連会員が退会していったことを改めて想起し猛省すべきである。

 今回の日歯連の「迂回献金」問題は、その根源に「政治とカネ」問題がある。これは、日歯連だけでなく広く政界や財界などに横たわる根深く深刻な問題である。従って、今後、各方面から、違法行為を繰り返す日歯連への批判や、今回の「迂回献金」問題の事実解明等が進められることは当然だが、法律や制度の瑕疵を放置してきた政治や国会、政党や議員、政財界全体の怠慢さも批判されるべきであり、保団連は、これらの問題を直ちに是正することが必要だと強調したい。

 来年は、18歳選挙制度が始まる歴史の新たな幕開けとなる。将来の日本を、真に明るい社会として迎えていくためにも、政府関係者、各党、各議員は政治の浄化に全力を尽くし、政党助成金と企業・団体献金を直ちに廃止すべきである。
 保団連は、そうした事業を前進させるために、保険医団体として、でき得る限り力を尽くしていく決意を改めて表明する。

以上