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【抗議声明】米軍機によるアフガニスタン国境なき医師団
病院への空爆事件
命を守る医師らを殺戮する行為に強く抗議する

2015年10月8日
全国保険医団体連合会
非核平和部長 永瀬勉

 

 10月3日未明、米軍は、アフガニスタン・クンドゥズで人道・医療支援活動を続けてきた国境なき医師団(MSF)の病院に対し空爆し、これまでに医師・病院スタッフ・患者ら22名が死亡した。命を守る医師らを殺戮する行為に強く抗議する。
 MSFは事前に病院の正確な位置を米軍に知らせていたとの報道や、またMSFの現地医師らは「集中治療室などが入った本館だけが何度も正確に爆撃されたのに対し、他の建物はほとんど無傷だった」と証言しており、狙いを定めた攻撃だったことを示唆している。10月6日、米軍当局は誤爆であると認め調査を行う旨の会見を行った。
 いかなる軍隊でも病院への空爆は、ジュネーブ条約に違反する戦争犯罪である。MSFは患者を他の病院に移送した上で、アフガニスタン北部から撤回した。患者・スタッフと活動の安全が確実に保障されない限り、活動再開は難しい状況にある。
 紛争地域への軍事介入は、事態を悪化させるだけであり、紛争地域での医療など人道支援活動が、完全に寸断される。空爆やテロなどの武力・暴力による憎しみの連鎖で犠牲になるのは、現地の子どもたち、女性、老人ら一般住民である。
 「誤爆」原因の徹底究明とともにただちに過激派掃討を口実とした空爆の中止とアフガニスタンからの米軍の完全撤退を求める。
 そして、安保法制成立を受けてのスーダンへの自衛隊派遣は憲法が定めた国際紛争を解決する手段としての平和外交を放棄するものであり決して認められない。

以上