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北朝鮮の水爆実験に対する抗議声明

2016年1月6日
全国保険医団体連合会
非核・平和部長 永瀬 勉

 

 北朝鮮は6日、2006年、2009年、2013年に続いて4度目の核実験を水爆により行ったことを発表した。広島と長崎への原爆投下では、20万人を超える市民の命を奪われ、いまなお原爆放射線による後障害に苦しむ多くの被爆者が存在する。人命を守る日本の医師・歯科医師の団体として、同国の核実験に強く抗議する。

 私たちは、「核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任である」との立場から、どのような理由があるにせよ、いかなる核兵器の開発・実験・配備・使用にも断固反対するものである。

 同国の核実験は、「核実験またはいかなる挑発もこれ以上実施しない」ことを求めた国連安保理の2087決議に違反する。

  北朝鮮は、水爆実験は、米国の核の脅威からの国の自主権、民族の生存権を守るための「自衛的措置」と主張した。

 今後も米国の敵対的な姿勢が根絶されない限り、「われわれの核開発中断や核放棄は絶対にあり得ない」と表明したが、核兵器およびこれを運搬する「ミサイル」の開発を続けることは、国際的な孤立を深めるだけである。

 いま必要なことは、軍事的な措置で互いに対抗し合うことではなく、あらゆる国が北朝鮮との話し合いの場を探り、同国との対話を開始して外交的、平和的に事態を解決することである。

 唯一の被爆国である日本の政府には、核兵器と核実験の全面禁止を提唱し、問題解決の先頭に立つことを要求する。

以上