1. |
被災者の医療費一部負担金および入院時の食事一部負担金を免除し、医療費が無料になる措置を直ちに講じること。また被災者および被災事業所の国民健康保険料(税)、後期高齢者医療制度保険料、社会保険料の負担免除および軽減措置を講じること。
(1) |
被災者の医療確保について、4月15日に被保険者の通知及び診療報酬請求に関する通知等が出され、また一部負担金及び保険料については2013年通知が示されました。しかし、これらは、東日本大震災時に出された特例措置による一部負担金や保険料の免除通知とは異なります。
熊本地震は、前震に次ぐ本震によって多くの家屋の倒壊が発生し、被災者は東日本大震災同様大きな困難を抱えています。早急に特例措置による医療費一部負担金および入院時の食事一部負担金の免除、保険料(税)の免除等を行ってください。 |
(2) |
保険証を紛失した被災者への保険証再発行にあたっては、短期証および資格証を発行せず正規の保険証を発行してください。 |
(3) |
これらの取り扱いを厚生労働省ホームページなどで周知するとともに、紙媒体で張り出し・配布や、拡声器等で広報するなど、あらゆる手段を通じて遺漏のないようにすること。 |
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2. |
被災者の介護保険の保険料および利用料、障害福祉サービスの利用料負担の免除および減免措置を講じること。 |
3. |
被災地域の医療機関への医薬品、医療材料などの迅速な供給・確保を実施すること。
(1) |
被災地域の医療機関に対する医薬品、医療材料、食材などの供給・確保を国の責任で実施してください。 |
(2) |
医薬品、医療材料の迅速な供給・確保をメーカーに指導してください。 |
(3) |
被災地の医療機関等に不足しているガソリン、自家発電用の燃料等を十分に供給できるよう必要な手だてを講じてください。 |
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4. |
被災地の療養型病院においても急性期医療ができるよう、投薬・注射、処置など包括範囲について、出来高払いを認めるなど必要な手だてを講じること。 |
5. |
被災者に対する入院医療を確保するために、定数超過入院、入院基本料の人員基準、食事療養の基準が満たせない状況が生じてもペナルティを課さないこと。また、入院中の患者さんへの専門外の治療を確保するため、他医療機関受診の規制を凍結すること。 |
6. |
被災地における在宅医療を確保するため、往診や訪問診療、訪問歯科診療、訪問看護等を実施する車両については、駐車許可証(駐車禁止除外標章)がなくても、医師、歯科医師、看護師等であることが証明できる場合は駐車禁止区域でも駐車を許可すること。
また、このことを警察など関係機関に周知すること。 |
7. |
避難所において新たな病人を発生させないために、医療機関に準じての感染対策―うがい、手洗いの励行などの対策―を講じること。そのために、うがい薬、手洗い用薬、マスクなどを常備すること。避難所に必要な数の仮設トイレを設置し、毛布と燃料(灯油等)を届け、被災者に十分な量の栄養のある食事を提供すること。またプライバシーの確保、障害者対策の確保を行うこと。 |
8. |
被災者のインフルエンザワクチン接種、肺炎球菌ワクチン接種を無料で実施すること。また「心のケア」など長期的な見通しにたった継続的な医療支援を行うこと。
(1) |
希望されるすべての被災者に対し、直ちに無料でインフルエンザワクチン接種、肺炎球菌ワクチン接種を実施すること。そのための広報を急ぐとともに、必要なワクチンの確保を行うこと。 |
(2) |
PTSD を含む長期の医療ケアが必要な方々への援助のため、医療支援チームの派遣や巡回診療など被災者の健康確保にむけて継続的な医療支援が可能な体制確保を講じること。 |
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9. |
高齢者、病弱者などが適切な医療・療養が確保できるよう、被災地以外での場所の確保を含む、受け入れ体制について行政が責任を持って行うこと。 |
10. |
被災医療機関等における診療報酬支払いを滞りなく確保すること。
(1) |
2016年4月分の診療報酬請求期限の延長はもとより、請求が困難な医療機関に対しては、実績に基づく概算払いの実施を行うこと。また、2016 年6月支払い分(2016年4月請求分)の早期支払い措置など被災医療機関への支援を行うこと。 |
(2) |
被災地の医療機関などが被災者救急医療や避難住民の健康を守るために行っている医療活動、診療活動に対して、出張診療への保険適用や災害救助法の適用拡大など最大限の経済保障を行うこと。 |
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11. |
被災地の介護保険事業所における介護報酬を滞りなく確保すること。 |
12. |
被災した医療機関および福祉施設への復旧・再建のために緊急支援を直ちに行うこと。地域住民の生命と健康を守る立場から、公的、民間問わず被災医療機関の医療機能の復旧・再建にむけ、支援対策を激甚災害法や特別立法の対象とするとともに、緊急かつ必要な支援措置を国、県あげてとりくむこと。
(1) |
医療機関全半壊の場合等における仮設診療所での診療行為を保険診療扱いとするなど、仮診療施設の確保を含む被災地域の入院、外来、救急、在宅それぞれの医療機能確保、要介護高齢者の生活とケアの保障にむけ必要措置を講じてください。 |
(2) |
公的、民間問わず被災した医療機関の復旧・再建にむけ公的資金による支援制度の創設などを直ちに実施してください。 |
(3) |
無利子、長期の別枠の緊急融資制度を創設し、ただちに実施してください。 |
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