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【決議】川内原発の即時停止を求める
―すべての原発再稼働計画を中止せよ―

2016年4月24日
全国保険医団体連合会
第5回原発問題学習交流会

 

 4月14日から16日に熊本県を震源とする直下型地震が発生し、地震の規模を示すマグニチュードが最大7.3を記録した。
 これまでに2回の震度7を含め、震度6弱以上が7回も起こり、震源の熊本県益城町で揺れの強さの目安となる加速度の値が1,580ガルを記録し、阪神淡路の2倍、中越地震にほぼ匹敵する大きな揺れであった。
 震源域は、前震は日奈久断層帯、本震は布田川断層付近とされ、その後、それぞれ北東の大分由布地域と南西は八代まで震源域が拡大し続けている。熊本では大きな地震が過去百年の間、発生しておらずどの地域でも同様の地震が起きる可能性があることが明らかとなった。
 臨時で開かれた原子力規制委員会では、川内原発原子炉建屋下の地震動が最大値12.5ガルを示し、原子炉自動停止の設定値を超えないことから予防的停止も行わないという判断を示した。
 しかし、今回の地震について、地震学者から、複数の断層が誘発されて動いており、地震学の想定から外れた現象が生じており、震源域の更なる拡大を示唆されている。交通網も九州新幹線が脱線し、九州自動車道も高架損傷が著しく不通、となり九州が南北に寸断された。
 再稼働された川内原発では、過酷事故の際の避難計画では屋内退避や陸路での避難経路が示されているが、今般発生した地震による交通網の寸断にはまったく想定されておらず不十分である。
 原発事故と地震などの複合災害がひとたび起きれば、私たち医師・歯科医師は、被ばく等による患者・住民の健康障害を防ぐことはできない。
 福島第一原発事故の真の原因を明らかにしない中で、東京電力は、炉心損傷の基準・マニュアルすらひた隠した。また、他の電力事業者も規制当局に設置を約束した免震重要棟の設置を放棄するなど安全投資への怠慢とも言うべき事態を続けている。今こそ、川内原発の即時停止、すべての原発再稼働をストップさせることを強く求める。

以上