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※全国保険医団体連合会では、5月19日に下記の要望書を塩崎厚生労働大臣及び衆・参の全国会議員宛に送付いたしました(PDFはこちら)。


介護療養病床廃止を撤回し、20対1看護配置未満の
医療療養病床存続を求める要望書

2016年5月19日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 前略 国民医療・介護の確保に対するご尽力に敬意を表します。
 さて、平成23年度末で廃止予定とされていた介護療養病床と20対1看護配置未満の医療療養病床については、地域における現状と患者・家族からの存続を求める要望を踏まえて平成29年度末まで期限が延長されました。
 当会は、介護療養病床及び20対1看護配置未満の医療療養病床が地域医療に必要である現状を踏まえ、その後もこれら病床の存続と診療報酬・介護報酬の引き上げを求めてきたところです。
 しかし、今年1月28日に開催された療養病床の在り方に関する検討会では、介護療養病床及び20対1看護配置未満の医療療養病床について、現在のサービス類型における役割と利用者のイメージなどを示した上で、『日常的な医学的管理、一定程度の介護に加え、「住まい」の機能を同時に満たす新たな類型が必要』とし、@プライバシーの尊重と家族・地域住民との交流、A日常的・継続的な医学管理や、充実した看取りやターミナルケアを実施する体制が求められるとしています。
 介護療養病床及び医療療養病床が、こうした機能を強化するためには、まず介護療養病床と20対1看護配置未満の医療療養病床の存続を決めた上で、これらの機能について介護報酬や診療報酬で加算評価すべきです。
 ところが検討会で示された「新たな選択肢を考えるに当たっての基本的な条件」では、「厳しい財政状況も踏まえ、効率的な運営体制の実現に向けた配慮が必要」とし、療養病床を@医療内包型か、A住まいと医療機関の併設類型に転換させるか、それともすでに移行先として示している20対1看護配置の医療療養病床、介護老人保健施設、有料老人ホームへの転換をするかの選択を迫るもので、いずれの選択肢も患者さんと医療・介護療養病床に大きな負担を強いるものです。
 介護療養病床や20対1看護配置未満の医療療養病床は、現在も地域において必要な入院医療機関としてその役割を発揮しており、高齢化の進展の中で、廃止期限を延長した平成23年よりも、その存続意義はますますその重要となっています。
 こうした状況を踏まえ、早急に下記の事項の実現に向け、ご尽力いただけますよう、お願いいたします。

一.

介護療養病床及び20対1看護配置未満の医療療養病床の存在意義を積極的に認め、廃止そのものを撤回して下さい。

一.

新たな機能を患者負担とするのではなく、診療報酬・介護報酬で加算評価してください。介護療養病床及び20対1看護配置未満の医療療養病床についても、次回診療報酬改定・介護報酬改定において、報酬を引き上げ、正当に評価して下さい。

一.

有床診療所の療養病床は、病床過剰地域においても新規開設を認めてください。

以上