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※全国保険医団体連合会では、8月12日に四国電力が伊方原発3号機を再稼働させたことに対し、四国電力及び愛媛県知事宛に当会としての意見と要望書を郵送しました(PDF版はこちら)。


【声明】伊方原発3号機の再稼働に抗議する

2016年8月12日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長
野本 哲夫

 

 8月12日、四国電力が伊方原発3号機を拙速に再稼働させたことに、抗議する。熊本地震を受けて原発再稼働を巡り新たな不安や脅威が明らかとなった。
 少なくとも以下に述べる不安が解消されない元では伊方原発3号機の再稼働を即時中止すべきである。
 伊方原発の近くには世界有数の活断層である中央構造線が走り、「南海トラフ」などマグニチュード9クラスの巨大地震の脅威にさらされている。
 中央構造線は熊本地震を引き起こした布田川・日奈久断層の延長線上にあたり、原子炉直下や付近でいつ地震が発生してもおかしくない状況にある。
 原子力規制委員会は、新規制基準に基づく基準地震動を650ガルに引き上げそれを満たしたことなどから新規制基準に「合格」としてきたが、熊本地震における最新の知見に照らせば、2倍〜3倍の振れ幅の揺れが想定され、現基準も安全なレベルとは言えない。
 この間、愛媛県は広域避難計画を改定し、陸路と空路、海路を組み合わせての避難計画・経路を策定したとしている。原発立地30キロ圏内には、7市町に居住する13万人が圏外に避難するため、最短でも6時間以上かかる。佐多岬半島の住民5,000人は、陸地での避難経路がなく孤立する恐れがあると指摘してきた。
 今般の熊本地震では、新耐震基準の家屋も倒壊・損傷を余儀なくされ、鉄道や高速道路など陸路も寸断され、災害時に移動手段が機能不全に追い込まれるなどその不安は的中した。
 形式的に定めた避難計画を防災訓練のみで「合格」としているが、直下地震と同時に発生する原発過酷事故の対処を周辺医療機関や住民に強いること甚だ困難であり、責任の放棄と押しつけでしかない。
 鹿児島県の三反園新知事は、住民の命と安全を守る立場から川内原発の稼働停止と避難計画の見直しを表明した。
 愛媛県知事も四国電力いいなりではなく、伊方原発3号機の稼働停止を要請すべきである。