※全国保険医団体連合会は、抗議声明を安倍総理、金田法務大臣など、関係各所に送付しました(
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【抗議声明】医療現場を萎縮させる「共謀罪」法案の
衆議院採決に抗議する
2017年5月23日
全国保険医団体連合会
非核・平和部長 永瀬 勉
本日、衆議院本会議にて「共謀罪」法案が自公維の賛成多数で可決された。同法案に対して金田法相は、「一般市民が法の適用対象となるか」という根幹部分の答弁すら不十分であり、市民への監視や人権侵害、表現の自由を奪いかねないとの指摘に対しまともに答弁していない。世論調査でも「共謀罪の説明不十分が77%(共同通信5月20日〜21日調査)」、「今国会で成立させる必要はない56.1%(同調査)」とされる中、数に物言わせて強引な採決を行ったことは問題である。
これまでの委員会審議で、話し合いや合意だけで処罰対象とすること、国際組織犯罪防止条約批准の要件にはあたらないこと、テロ対策とは無縁の対象犯罪が多く含まれ「テロ対策」には役に立たないこと、それどころか、一般市民が捜査や法適用の対象となり、任意捜査も含めて容易に市民を監視対象とすることが可能となるなど次々と問題点が浮き彫りになった。
政府与党は、審議すればするほど疑問が深まり、「共謀罪」の必要性が薄くなること、テロ対策として同法案は役に立たないことが国民に知れ渡ることを恐れ、審議を打ち切り、採決に踏み切ったものであり、当会は、衆議院本会議での採決に抗議し、委員会への審議の差し戻しを要求する。
法案成立により捜査機関の権限を著しく拡大させ、盗聴やGPS捜査など違法捜査を横行させ、一般市民を監視体制に置くことが容易となる。
政権に都合の悪い団体や市民を「被疑者」とし、話し合いや合意だけで捜査を行い、逮捕・勾留することで、国民各層の要求実現のための運動を萎縮させることが可能であり、密告制度の奨励により監視社会が強化される。
「共謀罪」法案の277の対象犯罪は「テロ」とは無関係なものが多く含まれており、2人以上で話し合いや合意だけで捜査対象とすることができる。
医療現場に捜査機関が介入することが容易になれば、医療現場の萎縮と混乱を招きかねない。医療は、医師と患者の信頼関係を前提に成立しており、医療現場は萎縮し必要な医療提供が困難となる可能性がある。
私たち医師・歯科医師は、市民社会の活動を阻害し、医療現場を萎縮させる「共謀罪」廃案に向けて全力を尽くす決意である。
以上