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※全国保険医団体連合会は、下記の要請書を安倍総理、塩崎厚労相、マスコミ各社に送付しました(PDF版はこちら)。

【談話】住民税通知の誤送付等による
マイナンバー漏えいに係る総務省の責任を問う

2017年6月16日
全国保険医団体連合会
経営税務部長 太田 志朗

 

 自治体が事業所に送付する住民税特別徴収額決定通知書に従業員のマイナンバーが記載される問題で、通知書の誤送付等によるマイナンバー漏えいが相次いでいる。報道等によれば漏えいを発表した自治体は55に上る。少なくとも329人分のマイナンバーが流出するとともに、更なる被害の拡大が連日報道されている(6月14日現在)。  

 通知書へのマイナンバー記載は実務上不要であり、マイナンバー漏えいの危険性を高めるだけと強く指摘されていたにもかかわらず、マイナンバー記載を強引に進めた総務省の責任は重いといわざるをえない。
 しかも、漏えいが相次ぎ発覚している中でも、総務省は重ねてマイナンバー不記載による通知書送付は認められないとの通知を出した上、漏えい事案が発生している現状についてコメントもしていない。今回のマイナンバー漏えい事態に第一義的に責任を負うべき立場にあるにもかかわらず、その無責任な姿勢に憤りを覚えるものである。

 この間、私たちは、総務省はじめ知事会、市長会・町村会などにマイナンバー記載の中止等を申し入れるとともに、各地の協会・医会では自治体の対応を調査し、マイナンバー記載中止等を繰り返し要請してきた。調査に回答した504自治体のうち一部記載・不記載などとした自治体は4分の1を超えている。
 調査では、書留郵便等に伴う費用負担増、時間外業務や他部署動員などの業務負担増が聞かれ、総務省が自治体にマイナンバー記載に伴う業務・責任を一方的に強いる姿勢が、自治体現場に様々な矛盾をもたらしている。地方税財政の在り方にも影響力を持つ総務省が、“法令遵守”を盾にマイナンバーを記載するよう自治体への締め付けを強めてきた。にもかかわらず、不記載等の自治体が、政令指定都市はじめ多く広がったことは、記載に伴う問題点と危険性を指摘する声の高まりとともに、住民の権利と福祉を第一義的に考える自治体現場の見識が示されたものである。

 今回のマイナンバー漏えい事態に対する総務省の責任を強く指摘するとともに、改めて私たちは通知書へのマイナンバー記載の中止を強く求めるものである。また、行政機関でのマイナンバー収集・利用がなし崩し的に広がらないよう注視していくともに、マイナンバー制度の廃止を強く求めるものである。

以上