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※全国保険医団体連合会は、下記の要請書を安倍総理、塩崎厚労相、マスコミ各社に送付しました(PDF版はこちら)。

保団連第3回代議員会 決議

 

 2017年前半の国会は、森友問題、加計問題など首相周辺の相次ぐスキャンダルが終始取り沙汰される異常な中で閉会した。その間に、まったく審議を尽くさないまま国民に負担増と給付削減を強いる予算を可決し、介護保険改悪法を成立させた。安倍政権が新たに閣議決定した「骨太方針」や成長戦略は、さらなる社会保障改悪路線に突き進み、2018年診療報酬改定でのマイナス改定を視野に入れている。
 困難に直面する国民をこれほどまでに愚弄する政権は前代未聞である。国民・患者、利用者の負担増、医療提供体制の縮小・再編による社会保障の抑制は、貧困と格差をいっそう拡大するものである。私たちは負担増などの社会保障改悪を阻止し、最善の医療を提供するための診療報酬の引き上げに向けた取り組みをさらに強める決意である。
 安倍政権が委員会審議を打ち切ってまでして成立を強行した「共謀罪」法は、より良い政治を求める国民の自由な表現活動を萎縮させ、民主主義そのものを否定するものと言わざるを得ない。これは、医療と社会保障の拡充を世論に訴え、国民・患者、利用者と共に実現を目指す私たちの取り組みに対する攻撃でもある。私たちは「共謀罪」の廃止を求めるとともに、安倍政権が2020年にも施行を狙う9条改憲にも断固として反対するものである。
 日本国憲法施行70周年の今年、私たち医師、歯科医師は、社会保障と平和、民主主義をさらに発展させる見地から、以下の実現に全力を挙げる。

、医療・介護の保険制度改悪はやめ、患者・利用者の負担を大幅に引き下げること。

、診療報酬改定では、薬価引き下げ分を全額技術料に振り替え、医科・歯科とも本体を10%以上引き上げること。

、介護報酬は、必要なサービス提供と職員の処遇改善を図れるよう大幅に引き上げること。

、自由開業医制の維持、患者のフリーアクセスの保障により、すべての国民が必要な医療を受けられる提供体制を確保すること。地域医療構想による強引な病床削減や国保の都道府県単位化をやめること。

、消費税増税は中止すること。社会保険診療は「ゼロ税率」による免税とし、損税問題を抜本的に解決すること。

、法人税、所得税等を中心に応能負担原則に基づいて社会保障の財源を確保すること。

、経済主権と公的医療保険制度を脅かす貿易交渉をしないこと。

、審査の画一的な査定を行わないこと。保険医と患者の人権が守られる指導、監査とすること。

、震災被災者の救済、医療・介護の自己負担免除と保険料減免、被災者生活再建支援制度の拡充、被災医療機関への支援を国の責任で行うこと。

、福島原発事故に対して国と東京電力は、廃炉、除染、被災者への賠償を継続すること。住民の健康管理を徹底すること。

、原発の再稼働、新・増設を止めること。原発をベースロード電源とする新エネルギー基本計画を破棄し、再生可能エネルギー中心の政策に転換すること。

、沖縄の普天間基地をただちに撤去し、辺野古への新基地建設、オスプレイパッドの建設をやめること。日本国内でのオスプレイ訓練をやめること。

、日本国憲法を遵守し、9条改憲を行わないこと。「共謀罪」法は直ちに廃止すること。

、唯一の戦争被爆国として、政府は核兵器禁止条約制定に向けて積極的な役割を果たすこと。

以上、決議する。
2017年6月25日 全国保険医団体連合会 第3回代議員会

以上