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※全国保険医団体連合会は、以下の抗議声明を北朝鮮国連代表部、米国在日大使館宛ほか、マスコミ各社に送付しました(PDF版はこちら[PDF:171KB])。
英語版はこちら

 

【抗議声明】北朝鮮の核実験・ミサイル発射に抗議する

2017年9月10日
全国保険医団体連合会理事会

 

 9月3日、北朝鮮は、朝鮮中央テレビにおいて「大陸間弾道ミサイル(ICBM)に搭載する水爆の実験に成功した」と発表し、6回目となる核実験を強行した。 
 北朝鮮による核実験は、核兵器禁止条約制定を求める国際世論を真っ向から否定するものであり、いまなお原爆放射線による後障害に苦しむ多くの被爆者が存在する日本の医師・歯科医師の団体として強く非難する。
 この間、北朝鮮は6度目の核実験に加え、7月、8月のICBM級の弾道ミサイルを発射し、国際社会の警告や非難にも関わらず核ミサイル能力を増強している。これらの行為は、国連決議、日朝平壌宣言、六者会合共同声明に明白に違反する行為であり、国際社会に対する重大な挑戦である。私たちは北朝鮮のこれらの行為について、いかなる理由を以てしても是認することはできない。
 米朝両国首脳により相互に挑発と威嚇が繰り返され、日米韓による軍事演習など軍事的緊張関係を高める方策により軍事衝突の懸念が急速に強まっている。
 「先制攻撃」による軍事衝突が生じれば、朝鮮半島において全面戦争に発展すること、南北朝鮮半島はおろか、日本の在日米軍基地、原発なども攻撃対象となり得ること、多大な人道的被害が生じることが想定される。そればかりか、両首脳の主張は「核使用」に言及するなどエスカレートし、核戦争も想起させるなど極めて危険な状況を作り出している。
 このように、これまで核保有国や同盟国が主張してきた核抑止力による「平和」は、「幻想」であり、偶発的な核使用の危険性が高まっている。
 事態打開のためには、圧力一辺倒ではなく、外交的手段を駆使すること、関係当事国の直接対話が必須であり、それを抜きにして現状を打開することはできない。
 私たちは、開業医宣言・平和への希求において「人命を守る医師はいかなる戦争をも容認できない」との立場から「歴史の教訓に学び、憲法の理念を体して平和を脅かす動きに反対する」こと、「核戦争の防止と核兵器廃絶が現代に生きる医師の社会的責任である」ことを確認した。
 北朝鮮に対して、国際社会の平和的生存を確保するルールを完全に遵守すること、米朝両首脳には、直接対話を通じて、北朝鮮の核・ミサイル開発問題を解決することを強く求める。そして、日本政府には軍事的対応を回避すべく、米朝直接対話に向け外交的努力を尽くすこと、北東アジアの非核化のためにも核兵器禁止条約を批准することを強く求める。

以上