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※全国保険医団体連合会は、下記の要請書を厚生労働大臣、マスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:162KB])。

【要請書】適時調査の改善を求める要請書


2017年11月12日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 前略 国民医療の確保に対するご尽力に敬意を表します。
 さて、施設基準の届出を行った場合は、原則として年1回(届出受理後は6カ月以内を目処に)適時調査が実施されることとなっております。
 しかし、地方厚生局等の人員不足などによって現在は、数年に1回の実施がほとんどです。施設基準の要件は複雑で、行政側ですら解釈の誤りが散見されます。適時調査による自主返還は個別指導よりも多額となっていますが、施設基準の要件を満たしているかどうかの点検が毎年しっかりと実施されていれば、このような自主返還には至らないはずです。
 また、適時調査を受ける医療機関は、多大な労力を要します。
 こうしたことから、適時調査に関し下記の改善を行うよう、強く求めます。

一.

「当日準備すべき書類」は、適時調査の実施通知と同時に対象医療機関に知らせること。

 
理由

現在は当日準備すべき書類を前日に電子メールで連絡されますが、これは適時調査を受ける医療機関にとって過大な負担です。また前日まで秘密にする必要があるとは思えない書類であり、適時調査の趣旨を踏まえれば、実施通知と同様に1カ月前に通知すべきです。

 

一.

適時調査の対象医療機関及び実施予定月を前年度(少なくとも3カ月前)に知らせること。

 
理由

適時調査は、対象を選定して実施する個別とは異なり、全ての病院を対象に定期的に実施されるものです。一方、適時調査は診療時間内に医療機関において長時間実施され、場合によっては患者さんの診療を制限せざるを得ないこともあります。適時調査の予定を前年度に知らせておくことは、地域医療の確保のためにも重要です。こうしたことから、実施予定日を前年度に知らせるべきです。

 

一.

自主返還の期間は最大で過去1年間とすること。

 
理由

適時調査は、「原則として年1回、受理後6カ月以内を目処に調査を実施する」と規定されています。ここで、要件を満たしているかどうかの点検をしっかりと行っていれば、誤った算定はあり得ません。ところが多くの都道府県で地方厚生局の人手不足などにより、数年に1回の実施となっています。調査では、@過去の適時調査で指摘がなかった部分は、教育的な指導に限定し、自主返還を求めないこと(48.21%)、A自主返還の期間を最大で過去1年間とすべき(35.38%)との意見が寄せられています。自主返還の期間は最大で過去1年間とすべきです。

 

一.

施設基準の内容や解釈について、疑義が生じないようにし、周知徹底を図ること。

 
理由

施設基準の運用解釈の誤りは、行政側にもあります。施設基準を簡素化し、その内容や解釈について、疑義が生じないようにし、説明会を行うことを含め周知徹底を図るようにしてください。

以上