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※全国保険医団体連合会は、下記の声明をマスコミに送付しました(PDF版はこちら[PDF:170KB])。

歯科新点数検討会決議


2018年3月17日
全国保険医団体連合会

 

 2018年度診療報酬改定は、本体を0.55%引き上げたが、全体では▲1.19%のマイナス改定となった。
歯科診療報酬本体については、0.69%の引き上げにとどまった。国民医療費全体に対する歯科医療費の割合は2015年には6.8%まで低下し、医療経済実態調査によると、歯科診療所の収支差額(月額)の最頻値が、1993年からの20年間で約60%も減少したことが明らかになるなど、歯科診療所の経営は一向に改善されず、深刻さを増している。さらに、歯科技工士や歯科衛生士の技術と労働が診療報酬上、正当に評価されていない。
 私たちは、国民医療を守り、医療従事者が安心・安全な医療を患者さんに提供できるよう、日常診療への適切な評価を行い、初・再診料をはじめとする基礎的技術料を中心に、診療報酬の改善を求める。
一方、患者サイドに目を向けると、経済的な理由から、治療の中断や、痛みをとるだけの治療を求める現象がおきている。にもかかわらず、政府は「75歳以上の患者窓口負担の原則2割化」「かかりつけ医普及を理由とした受診時定額負担」「薬剤の患者自己負担引き上げ」など、新たな患者負担増を検討・具体化しようとしている。
 私たちは、「保険で良い歯科医療」の実現に向け、新たな患者負担増は行わず、診療報酬の大幅な引き上げとともに、患者窓口負担の軽減を求める。
 以下の事項を要望する。

一、

歯科医療機関の経営危機を打開し、国民が安心して「保険で良い歯科医療」を受けられるよう、歯科医療費の総枠拡大を実現するとともに患者窓口負担を大幅に軽減させること

一、

歯科医療従事者が、安心して働くことができ、患者さんに寄り添った歯科医療が提供できるよう、診療報酬を改善すること

@ 初・再診料をはじめ基礎的技術料を大幅に引き上げること
A 院内感染防止対策に係る新たな施設基準を設け、努力義務を一方的に押しつけることや、施設基準未届け歯科医療機関への初・再診料の減算をやめること。すべての歯科医療機関の院内感染防止対策を補填する個別の評価を設けること

一、

75歳以上の窓口負担2割化をはじめとする新たな患者負担増の計画は中止し、患者窓口負担を軽減すること

一、

歯科技工士、歯科衛生士の評価を抜本的に高めること

一、

社会保障を拡充すること

以上、決議する

2018年3月17日
2018年保団連・歯科新点数検討会 参加者一同