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※全国保険医団体連合会では、9月4日に直撃した台風21号、9月6日午前3時に発生した北海道の地震などについて、下記の緊急要望書を総理大臣、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:203KB])。

9月6日北海道地震及び、台風21号等による
被災者医療と医療提供体制確保に関する緊急要望書


2018年9月6日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 9月6日北海道地震及び台風21号などによる甚大な被害への貴職のご尽力に、敬意を表します。
 さて、被災された方々の生命と健康を守るための医療支援と、被災地域の医療体制の復旧・復興は、緊急・不可欠の課題であります。
 当会は、医師、歯科医師10万7千人の団体として、下記の通り緊急要望書を提出いたします。早急の対応をお願いいたします。

1.

9月6日北海道地震及び、台風21号等の災害による被災者への医療確保のため、次の対策を直ちに行うこと。

(1) 被災によって被保険者証を提示できない場合であっても、氏名、住所などを医療機関の窓口で申し立てることにより保険診療扱いで受診できるようにすること。
(2) 国の負担による被災者の医療費一部負担金および入院時の食事一部負担金を免除し、医療費が無料になる措置を直ちに講じること。また被災者および被災事業所の国民健康保険料(税)、後期高齢者医療制度保険料、社会保険料の負担免除および軽減措置を講じること。
(3) これらの取り扱いを厚生労働省ホームページなどで周知するとともに、紙媒体で張り出し・配布や、拡声器等で広報するなど、あらゆる手段を通じて遺漏のないようにすること。

2.

国の負担による被災者の介護保険の保険料および利用料、障害福祉サービスの利用料負担の免除および減免措置を講じること。

3.

被災地域の医療機関への医薬品、医療材料などの迅速な供給・確保を実施すること。

4.

避難所において新たな病人を発生させないために、医療機関に準じての感染対策―うがい、手洗いの励行などの対策―を講じること。そのために、うがい薬、手洗い用薬、マスクなどを常備すること。避難所に必要な数の非常用発電機、仮設トイレ、冷暖房機器等を設置し、寝具や歯ブラシ、ウエットティッシュ、衛生材料などを届け、被災者に十分な量の栄養のある食事を提供すること。またプライバシーの確保、障害者対策の確保を行うこと。

5.

希望する被災者に、ワクチンを無料で接種できるようにすること。また「心のケア」など長期的な見通しにたった継続的な医療支援を行うこと。

6.

被災医療機関等における診療報酬請求書の提出期限の延長、紙媒体での請求や概算請求等を認めるとともに、支払いを滞りなく行うこと。また、介護保険事業所における介護報酬についても同様の対応とすること。

7.

被災した医療機関および福祉施設への復旧・再建のために緊急支援を直ちに行うこと。地域住民の生命と健康を守る立場から、公的、民間問わず被災医療機関の医療機能の復旧・再建にむけ、支援対策を激甚災害法や特別立法の対象とするとともに、緊急かつ必要な支援措置を国、県あげてとりくむこと。

8.

被災者医療の確保のために定員超過となる場合や、医療法人員を下回る場合については、診療報酬・介護報酬の減算を行わないこと。また、2018年診療報酬改定で経過措置が設けられた施設基準のうち、当該点数を10月1日以降も引き続き算定する場合について10月10日までに届け出ることとされているが、被災医療機関においてはさらに柔軟な対応を行うこと。

9.

電力の復旧に全力を挙げること。特に医療機関や介護施設、電源が必要な在宅医療等への電源確保を早急に行うこと。

以上