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※全国保険医団体連合会では、11月18日に地域医療活動交流集会を開催し、下記の決議を採択しました。決議はマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:185KB])。

【決議】患者・利用者が必要な医療・介護を受けられる
制度の実現を求める

 

 政府は、患者・国民には大幅な負担増、医療機関には診療報酬や介護報酬の引き下げ・抑制を強いるとともに、社会保障を民間営利企業の儲けの対象にする社会保障の連続改悪を進めている。こうした中で実施された2018年診療報酬改定は、総枠で1.19%のマイナスで、介護報酬改定も全く不十分であった。また、「地域医療構想調整会議」で具体的な病院名を上げて病床削減・転換を進めているが、これでは地域医療も地域経済も崩壊する。
 政府は、2019年に実施又は法案提出を検討する対象として、医療保険では、@後期高齢者の窓口負担2割化、A外来受診時定額負担、B薬剤自己負担の引き上げ、C金融資産に応じた患者負担引き上げ、D現役並み所得の判定基準引き下げ、E高額新薬の保険給付外し等を挙げている。介護保険では、@ケアプラン作成や多床室室料の有料化、A軽度者の生活援助サービス等の地域支援事業への移行、B現役並み所得の判断基準引き下げ等を挙げている。
 また、今年4月の国保都道府県単位化では、私たちの運動で緩和措置が導入され多くの自治体で保険料が据え置かれたが、今後緩和措置や一般会計繰り入れ廃止の圧力が強まる。
 さらに安倍首相は、これらに加えて来年10月の消費税10%への引き上げ実施と、「全世代型社会保障」の名の下で、全世代への更なる負担強化を画策している。
 これでは、患者・利用者が必要な医療・介護を受けることができなくなる。
 平成22年版厚生労働白書では、社会保障分野の「総波及効果」は公共事業よりも高く、主要産業より「雇用誘発効果」が高いことが示されている。社会保障への支出は、社会保障を受ける人を支えるだけでなく、雇用を確保し日本経済を押し上げる効果を有する。社会保障拡充は、まさに政府が目指す景気浮揚に寄与するものである。
 2017年度の大企業(資本金10億円以上)の内部留保は425兆円を超える。大企業の内部留保を社会に還元させ、高薬価を是正すれば、賃金や雇用体系を改善し、社会保障を守ることが可能である。来年は、統一地方選挙や参議院選挙が実施される。私たちは国民の命と健康を守るため、患者・利用者負担軽減と診療報酬引き上げをはじめとした社会保障拡充を選挙の争点に押し上げるとともに、次の事項の実現を強く求めるものである。

一、

患者・利用者負担の更なる拡大をやめ、負担を軽減すること。

一、

地域状況を勘案しない病床再編・削減をやめること。

一、

災害救助法が適用された場合には、国による窓口負担免除を実施すること。西日本豪雨被災者の免除を継続し、東日本大震災や熊本地震被災者の国による免除を復活すること。

一、

生活保護医療に対する差別をなくし、生活保護を改善すること。

一、

難病医療費助成制度の対象に軽度者を復活し、窓口負担を軽減すること。

一、

風疹対策を強化すること。ワクチン供給体制の抜本改善を行うこと。

一、

2020年診療報酬改定では、薬価大幅引き下げを実施するとともに診療報酬を大幅に引き上げること。とりわけ歯科診療報酬の大幅引き上げを図ること。告示・通知から改定実施までの周知期間を2カ月以上確保すること。地域別診療報酬を導入しないこと。

一、

介護報酬を引き上げること。

一、

消費税増税を中止すること。医療機関の損税を解消すること。

以上、決議する。
2018年11月18日
全国保険医団体連合会 地域医療活動交流集会

以上