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※全国保険医団体連合会では、下記の声明を内閣総理大臣、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:163KB])。

【声明】「毎月勤労統計調査」不正調査問題の全容解明を求める

2019年1月22日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 厚労省が実施する毎月勤労統計調査で本来、全数調査とすべきところを抽出調査とし、長年公表し続けてきた問題は、同省が不正を容認する事務マニュアルを作成し、組織的な関与や隠蔽が取りざたされるなど政府統計の根幹を揺るがす事態に発展している。
 毎月勤労統計調査は、月例経済報告、景気動向指数、国民経済計算などの経済指標や失業保険、労災保険の給付額の算出など広く用いられる基幹統計である。厚労省は、2004年から東京都分の調査で「500人以上規模の事業所」の約1400事業所の全数調査を行わず、3分の1程度の抽出調査としたため、本来の数値より低い数値が算出されてきた。このため、毎月勤労統計をベースに給付額が決定される雇用保険、労災保険、船員保険の受給者のべ約2015万人に対し約564億円の過小給付が発生し、昨年閣議決定された19年度予算案も組み替えられるなど異例の事態となった。
 重大なのは安倍政権下で、18年1月から東京都の調査データに補正が加えられた結果、18年6月の実質賃金が前年同月比で2.8%増となり、「今世紀に入って最も高い水準(安倍首相、18年10月30日参議院本会議)」と高い伸び率を示したことだ。野党からは「政府は実質賃金の伸び率を消費税増税の目安としてきた。」「消費税増税を前提とした来年度予算案を決定していいのか」と指摘され、消費税増税の根拠が揺らぐ事態になっている。
 昨年3月には働き方改革関連法案を巡り、裁量労働制を拡大するためにデータ偽装を行い撤回に追い込まれた。また、昨年、臨時国会で強行成立させた入国管理法改正では、外国人技能実習生の調査結果のねつ造が野党の調査で判明したにも関わらず強行成立させられた。安倍政権は法案成立のためには、データ偽装も厭わない政治手法を繰り返している。
 今回の「毎月勤労統計」不正調査問題の全容を解明し、官僚のみの処分に終わらせることなく、安倍政権の政治責任を問うことを要求する。

以上