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※全国保険医団体連合会では、下記の声明をマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:202KB])。

【声明】米露両政府は、核兵器廃絶を願う国際的な世論に
真摯に向き合い、 中距離核戦力(INF)全廃条約の履行を

2019年3月15日
全国保険医団体連合会
非核・平和部長 永瀬 勉

 

 2月1日、米トランプ政権は、中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄をロシア側に正式に通告した。米国は2日付で条約の義務履行を停止した。この通告を受けて、ロシア側も破棄を表明した。条約では猶予期間を6カ月として規定されており、その期間に、米ロの歩み寄りがなければ、8月に失効することとなる。

 INF全廃条約は、射程範囲500〜5,500キロの核弾頭および通常弾頭を搭載した地上発射型の短距離および中距離ミサイルの廃棄を定めたもので、両国のミサイル射程圏内に欧州の諸都市が入る危機を回避するため、1987年に締結された。

 ポンペオ米国務長官は、「INF条約は、ロシアの重大な違反が原因でもはや有効ではない」と指摘。破棄通告は「米国や同盟国の安全を守るための措置だ」として、正当化しているが、INF全廃条約が失効となると、より一層の核軍拡競争が激しくなり、2017年7月に締結された「核兵器禁止条約」に逆行するものとなる。
 INF全廃条約の失効と核軍拡競争の激化は、核兵器廃絶を願う被爆者をはじめ、世界の人々の願いを踏みにじるものであり断固として容認できるものではない。

 今こそ、米露両国政府は、核兵器廃絶を願う国際的世論に真摯に向き合い、INF全廃条約の失効を回避する努力をすべきである。

 最後に、私たちは、命と健康を守る医師・歯科医師の立場から、核兵器廃絶を願う世界の人々と連帯し、一日も早い核兵器禁止条約の発効と核兵器廃絶に向けた取り組みをすすめていくことを表明する。

以上