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※全国保険医団体連合会は、第48回大会期第3回代議員会にて下記の通り決議を採択し、マスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:241KB])。

第3回代議員会決議


 安倍政権は大企業、富裕層を優遇する一方、税と社会保障による所得再分配機能はもとより、雇用と賃金も破壊し、貧困と格差を拡大させてきた。こうした事態が今日の景気悪化を招いている。
 骨太方針2019では、75歳以上の窓口負担2割化、受診時定額負担など負担増計画を参院選後に先送りした。自民党は、消費税増税を参院選公約に明記する一方、高齢者負担増はひた隠しにしている。高齢者は、年金の給付削減や消費税増税の中で貯蓄を取り崩し、食費を切り詰め生活している。さらなる受診抑制・中断につながる負担増は受け入れられない。
 「65歳で2000万円の貯蓄が必要」とした金融庁金融審議会報告書に国民の強い批判が巻き起こっている。「老後も自己責任」と年金改悪を推し進めてきた結果、高齢者の格差・貧困を広げてきた。その上、選挙後に年金削減が狙われており、5年に1度の財政検証の公表すら選挙後に先送りし、争点回避することは許されない。
 自民党は自衛隊明記を柱とする早期の憲法「改正」を参院選の重点方針に掲げた。基本的人権の尊重と民主主義、平和主義を基調とする現憲法に即して、医療と社会保障を充実、発展させることが政治の役割であり憲法「改正」は不要である。
 今必要なことは、国民生活の困窮を打開するため、社会保障費抑制路線を転換し、地域住民に必要な医療が十分行き渡る提供体制を整えることであり、大企業や富裕層への優遇政策を改め、応能負担原則に基づき、消費税に頼らない社会保障財源を確保することである。
 第一線医療の担い手として、それぞれの地域でのさらなる日常診療の充実と研鑽に努めるとともに、下記を中心とする諸課題に全力で取り組む。

一、

75歳以上の窓口負担2割化をはじめ患者負担増計画を中止し、患者負担を大幅軽減すること。子どもと妊産婦の医療費を無料化すること。

一、

初・再診料などの基礎的技術料をはじめとする診療報酬を大幅に引き上げること。

一、

10月からの消費税10%増税は中止すること。社会保障の財源は応能負担原則に基づいて確保すること。医療にはゼロ税率を適用し、消費税損税を解消すること。

一、

医師数を増員し、医師の健康と地域医療を守ること。

一、

保険医の裁量権と患者の人権が守られるよう画一的な審査をやめること。指導、監査、適時調査にあたり保険医の人権が守られるようにすること。

一、

マイナンバー制度は中止すること。医療機関への利用拡大、レセプト・健診等の医療情報との紐付けを行わないこと。

一、

原発の再稼働、新増設、核燃サイクルはやめ、既存の原発は速やかに廃炉にすること。

一、

政府は、非人道的な核兵器は国際法違反と宣言し、核兵器禁止条約を批准すること。

一、

9条をはじめとする現行憲法の改定は行わないこと。

一、

政府は、沖縄の普天間基地の運用停止と返還を求め、辺野古新基地建設、土砂投入を中止すること。

以上、決議する。

2019年6月30日 全国保険医団体連合会 第3回代議員会