※全国保険医団体連合会では、下記の理事会声明を国会議員及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:175KB])。
【声明】直ちに国会を開き、諸課題について徹底審議を行うこと、
消費税増税を中止することを求める
2019年9月9日
全国保険医団体連合会
理事会
7月の参議院選挙から1カ月以上を経過した。
しかし、今月中に政府は日米貿易協定に署名するとしており、また10月1日には消費税増税の実施が予定されている。高齢・現役世代を問わず広がっている公的年金への不安、イラン沖への「有志連合」参加問題、日韓関係の深刻化など重要な課題が山積している。
政府・与党は10月4日から臨時国会を開くとしているが、私たちは、国民生活にも関わるこれら諸課題について、直ちに国会を開いて国民に説明し、打開のための徹底的な審議を行うことを求める。
特に10月1日からの消費税増税については、一刻の猶予もならない。政府・与党は国民生活の実態、消費税増税に対する不安に目を向け、直ちに中止を決断すべきである。
いま、賃金の低迷と抑制され続けてきた貧弱な社会保障の下で、国民は日々の生活防衛を強いられ、増税前の「駆け込み需要」すら起きないのが現状である。国内の消費不況と景気の低迷に加え、米中貿易摩擦や英国のEU離脱問題などで国際経済の不透明さを増し、その影響がわが国にも波及することが強く懸念される。
こうした状況で消費税を増税することは、国民の生活と生業を破壊し、わが国の経済を破滅に導く暴挙である。
また、インボイスの導入を含む極めて複雑な仕組みである複数税率や、キャッシュレス決済によるポイント還元などへの対応が、事業者と消費者に大きな負担と不安を生じさせている。政府は多額の費用を掛けてこれらの制度を実施しようとしているが、「景気対策」「低所得者対策」としての効果は疑問視されている。
10月が近づくにつれて、消費税増税への不安は日に日に強まり、各地で増税中止を求める声が沸き起こっている。先の参議院選挙で10月増税中止を共通政策に掲げた5野党・会派は、消費税増税の中止について国会での審議を求めている。
私たちも、10月消費税増税の中止を強く求めるものである。
消費税増税は国民生活の悪化と受診抑制や治療中断をさらに加速させ、患者・国民の命と健康が脅かすことになり、地域医療に従事する医師・歯科医師として断じて容認できない。また税率引き上げによって医療機関の控除対象外消費税(損税)の矛盾が拡大し、個々の医療機関はもとより地域医療全体に影響が及ぶことは必至である。
政府・与党は、国民の生活実態を直視し、消費税増税に対する不安の声に耳を傾け、一刻も早く10月消費税増税の中止を決断すべきである。
以上