ホームニュースリリース・保団連の活動私たちの提言・意見

※全国保険医団体連合会では、下記の緊急要請書を、国会議員及びマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:127KB])。

【声明】臨時国会開会にあたって
くらしと経済の困難打開のため徹底的な審議を求める
大混乱の消費税増税は撤回を

2019年10月4日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇
歯科代表 宇佐美 宏

 

 今日4日から臨時国会が開会する。7月の参議院選挙から2カ月以上が経ち、消費税増税や日米貿易協定といった、国民生活やわが国の今後に重大な影響を及ぼす懸案が、国会審議や国民への説明もないまま実施された。また、この間の台風や豪雨による被害への政府の対応の遅れは、いまなお被災地住民に困難を強いている。
 私たちは本臨時国会において、国民のくらしや地域の実情を踏まえ、困難の打開、改善に向けた議論が行われることを望むものである。とりわけ医師、歯科医師として、地域住民の生活と健康、医療を中心とする社会保障の拡充を求める観点から、次の事項を強く求めたい。

一、10月から実施された消費税増税は家計を直撃し、加えて、複数税率やキャッシュレス決済の導入による混乱や、事業者の負担は重く、景気への影響も懸念されている。これにより、今でも深刻な経済的な理由による受診抑制や治療中断をさらに加速させることは必至である。政府は今後、2兆円超とも言われる多額の費用を「景気対策」として投入することを検討しているとされるが、増収分を上回る費用をつぎ込むことは、失政以外の何ものでもない。
 大混乱を生じさせている消費税増税を徹底的に審議し、税率引き下げを決断すべきである。

一、消費税増税は「全世代型社会保障への転換のため」などという触れ込みで実施された。しかし、この間、社会保障は抑制され続け、この先も政府内では給付削減、負担増が計画されている。社会保障の抑制路線を見直すとともに、社会保障の財源は消費税に頼るのではなく、税の所得再分配機能を発揮させる必要がある。応能負担に基づいて税制の公平化を図る見地から、国会での本格的な審議を行うべきである。

一、本国会では9月末に最終合意に至った日米貿易協定の承認が審議される予定である。この協定は、国民の前にその内容が明らかにされないまま交渉が行なわれた。その内容も、わが国の食の安全と農業、経済主権を脅かすものである。消費税増税と並んで、今後の国民生活とわが国の経済に重大な影響を及ぼす同協定の交渉過程と内容を明らかにし、協定の見直しを含め、国会での追及が行われるべきである。

一、この間の台風、豪雨による甚大な被害で、被災者はいまなお困難な生活を強いられ、生活再建への不安も募っている。政府の対応の遅れが被害の拡大をもたらしている。政府は被災地に対する激甚災害指定を速やかに行うとともに、被災者生活再建支援法を改正し、「一部損壊」への支援金の支給対象拡大、支援金額の引き上げを行うべきである。また、こうした観点からも、直ちに消費税率を引き下げるべきである。

以上