ホームニュースリリース・保団連の活動私たちの提言・意見

※全国保険医団体連合会では、下記の緊急要請書を、総理大臣、厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:163KB])。

【要望書】台風19号等による被災者医療と
医療提供体制確保に関する緊急要望書

2019年10月15日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 台風19号による甚大な被害への貴職のご尽力に、敬意を表します。
 さて、台風19号は非常に広範囲な地域に著しい被害を及ぼしています。
 災害からの復旧・復興のためには、被災された方々の生命と健康を守るための医療支援と、被災地域の医療体制及び介護体制の確保が緊急・不可欠です。
 当会は、医師、歯科医師 10万7千人の団体として、下記の通り緊急要望書を提出いたします。早急の対応をお願いいたします。

1. 国の負担と責任で、被災者に対する医療、介護などの確保に全力をあげること。
(1) すべての被災者の医療費一部負担金及び入院時の食事一部負担金を国の負担で免除し、医療費が無料になる措置を直ちに講じること。また被災者及び被災事業所の保険料の免除および軽減措置を国の負担で講じること。
(2) すべての被災者の介護保険の保険料および利用料、障害福祉サービスの利用料負担の免除および減免措置を国の負担で行うこと。
(3) これらの取り扱いを厚生労働省ホームページなどで周知するとともに、紙媒体で張り出し・配布や、拡声器等で広報するなど、あらゆる手段を通じて遺漏のないようにすること。
2. 被災地域の医療機関への医薬品、医療材料などの迅速な供給・確保を実施すること。
3. 避難所において新たな病人を発生させないために、医療機関に準じての感染対策―うがい、手洗いの励行などの対策―を講じること。そのために、うがい薬、手洗い用薬、マスクなどを常備すること。避難所に必要な数の仮設トイレ、エアコン等を設置し、寝具や歯ブラシ、ウエットティッシュ、衛生用品、オムツなどを届け、被災者に十分な量の栄養のある食事を提供すること。またプライバシーの確保、障害者対策の確保を行うこと。「心のケア」など長期的な見通しにたった継続的な医療支援を行うこと。
4. 被災地で瓦礫や泥水の撤去等を行う被災者及び被災地の支援活動に従事するボランティアで、破傷風ワクチンの接種を希望する者については、国がワクチン接種費用を公費で負担すること。破傷風菌による感染の危険性と予防のための破傷風ワクチン接種の有効性について、国として国民への啓蒙および情報周知のための広報活動に責任を持って取り組むこと。
5. 電力・水道などの復旧に全力を挙げること。特に医療機関や介護施設、福祉施設、電源が必要な在宅医療等への電源確保を早急に行うこと。
6. 被災者医療及び介護の確保のために定員超過となる場合や、人員を下回る場合については、診療報酬・介護報酬の減算を行わないこと。また、2019年11月20日までに届出が必要とされているデータ提出加算の経過措置について、被災医療機関においてはさらに柔軟な対応を行うこと。
7. 被災医療機関等における診療報酬請求書の提出期限の延長、紙媒体での請求や概算請求等を認めるとともに、支払いを滞りなく行うこと。また、介護保険事業所における介護報酬についても同様の対応とすること。
8. 地域住民の生命と健康を守る立場から、公的、民間問わず、被災した医療機関および福祉施設等の復旧・再建のために緊急支援を直ちに行うこと。被災医療機関の復旧・再建のため、医療施設等災害復旧費補助金等の対象を公的、民間問わず全ての被災医療機関を対象にするとともに、対象経費を拡大し、補助率を引き上げること。また、中小企業等グループ補助金についても医療機関及び福祉施設等の復旧・再建のために活用できるようにすること。
9. 被災者生活再建支援制度について、支援金を500万円に引き上げて全額国が財政負担すること。また対象を一部損壊まで拡大し、個人事業所や農地など生業再建全般に拡大すること。

以上