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※全国保険医団体連合会では、2020年1月25、26日に開催された第49回定期大会において下記の決議を採択し、マスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:177KB])。

全国保険医団体連合会第49回大会決議
医療・社会保障の充実を求める決議

 

 発足から8年目を迎えた第2次安倍政権は、診療報酬のマイナス改定で地域医療を疲弊させ、医療・介護の負担増を国民に押し付け格差・貧困を拡大させてきた。
 暮らしも経済も落ち込む中、昨年10月に消費税増税を強行し、12月の全世代型社会保障検討会議・中間報告では、75歳以上の一定所得以上の方の窓口負担2割導入、紹介状なしの大病院の受診時定額負担の大幅拡大など医療費負担増の姿勢を打ち出した。6月の骨太方針、夏の検討会議・最終報告に向けて、医療・社会保障のさらなる給付削減や負担増を計画している。診療報酬の改定率は本体0.55%プラスもネットで0.46%マイナスと4回連続のマイナス改定である。この間の物価・人件費の上昇に及ばず、医療従事者の働き方改善や地域医療確保は困難である。
 2020年度予算案では、軍事費を8年連続拡大する一方、社会保障費「自然増」を1200億円削減し、病院の再編統合や国保料引き上げなどを迫っている。
 いま必要なことは大企業や富裕層への優遇政策を改め、税・保険料の応能負担原則を強化し、社会保障財源を確保することである。安定した雇用と賃金を確保し国民所得の向上により経済の好循環を取り戻すことである。
 私たちは、第一線医療の担い手として、患者・住民本位の地域包括ケア実現に向けて、それぞれの地域での日常診療のさらなる充実と研鑽に努める決意を表明するとともに、下記の要求に全力を上げるものである。

一、 75歳以上の窓口負担の2割導入をはじめ医療・介護の負担増計画を中止すること。
一、 初・再診料、入院基本料などの基本診療料をはじめとする診療報酬を大幅に引き上げること。
一、 歯科低医療費政策を改め、歯科技工問題・金パラ「逆ザヤ」問題を解決し、歯科医療機関の経営困難を打開すること。
一、 景気悪化を招いている消費税の税率を引き下げること。税・保険料の応能負担原則を強化し、消費税に依存しない社会保障財源を確保すること。医療にはゼロ税率を適用し、消費税損税を解消すること。
一、 公立・公的病院をはじめ地域の実情を無視して、病院再編統合を強引に進める地域医療構想を中止すること。
一、 計画的に医師数を増員し、医師の健康と地域医療を守ること。
一、 保険医の裁量権と患者の人権が守られるよう画一的な審査をやめること。指導、監査、適時調査にあたり保険医の人権を擁護すること。
一、 社会保障個人会計や国民の管理統制につながるマイナンバー制度は廃止すること。医療機関への利用拡大、レセプト・健診等の医療情報との紐付けを行わないこと。
一、 原発の再稼働、新・増設、核燃サイクルはやめ、既存の原発は速やかに廃炉にすること。再生可能エネルギー中心のエネルギー政策に転換すること。
一、 政府は、非人道的な核兵器は国際法違反と宣言し、核兵器禁止条約を批准すること。
一、 9条をはじめとする現行憲法の改定は行わないこと。
一、 政府は、沖縄の普天間基地の運用停止と返還を求め、辺野古新基地建設を中止すること。

以上、決議する。

2020年1月26日
全国保険医団体連合会 第49回定期大会

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