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※全国保険医団体連合会では、下記の要請書をマスコミ各社に送付いたしました(PDF版はこちら[PDF:215KB])。

【談話】女川原発2号機基準「適合」に抗議し、撤回を求める

2020年3月3日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本 哲夫

 2月26日、原子力規制委員会(以下「規制委」)が、東北電力女川原発(宮城県女川町、石巻市)2号機が新規制基準に「適合」するとして設置変更を許可した。
 女川原発は、重大事故を起こした東京電力福島第一原発1〜3号機と同じ沸騰水型で、また、東日本大震災の被災原発で、外部電源が5系統のうち4系統が遮断した他、火災や建屋への浸水など、重大事故になりかねなかった。
 想定を超える揺れに度々見舞われたことで、建屋に多数のひび割れが見つかっており、剛性は著しく低下している。国の地震調査研究推進本部は、宮城県沿岸は今後30年以内にマグニチュード7級の地震が起こる確率が90%としており、今後も強い揺れや大きな津波に襲われる恐れがある。
 約千件寄せられたパブリックコメントでも地震や津波対策への不安の声が目立ち、「広域避難計画の実効性がない」、「炉心溶融後に使用した場合大量の放射性物質が放出される」、「フィルターのついてないベントが残される」など、地域住民の安全と健康が守れるとは言い難い。3号機を含めた安全対策費は3,400億円に及び、これにテロ対策施設も整備費は含まれていない。
 規制委が「適合」としたことで、再稼働の是非は対策工事の完了と地元同意に移る。石巻市民は避難計画に不備があるとして「地元同意」差し止めを求める仮処分を申し立てているなど、多くの不安や疑念は全く解消されておらず、住民の声に逆らい再稼働をおしすすめることは許されない。
 本会は、国民のいのちと健康を守る医師、歯科医師の団体として、国民のいのちと安全を脅かす規制委による「再稼働先にありき」の「適合」判定に抗議し、撤回を求める。

以上