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※全国保険医団体連合会では、下記の要請書を総理、総務大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:146KB]

【談話】原子力規制委員会による
日本原燃六ヶ所村再処理工場「合格」に抗議し、
核燃サイクル政策の即時中止を求める

2020年5月15日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部長 野本 哲夫

 

 原子力規制委員会は5月13日、原発の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出す日本原燃六ケ所再処理工場(青森県)について、安全対策の基本方針が新規制基準に「適合」すると認める審査書案を了承した。

 六ケ所村にある再処理工場は使用済み核燃料を再処理してプルトニウムとウランを取り出し、両者を混ぜ合わせたMOX燃料を作るための工場だが、東日本大震災による原発事故後、MOX燃料を使う原発はわずか4基にとどまり、再処理工場でMOX燃料を作ったとしても使用先がない現状である。
一方、プルトニウムの利用先として説明されていた高速増殖炉「もんじゅ」は2016年に廃炉が決定しており、核燃サイクル事業そのものが破綻している。

 また、六ヶ所村再処理工場の建設にあたっては、これまで度重なるトラブルで運転を中断してきた。建設費は当初の7,600億円から2兆円を超える額に膨れ上がっている。使用済み核燃料を再処理する過程で発生する高レベル放射性廃棄物の処分先も決まっていない。

 再処理工場敷地内と沖合5キロほどの海底には巨大断層が存在しており、地震や事故が起これば大惨事となることが危惧される。

 にもかかわらず、国や電力会社などは、核燃料サイクルを推進し、再処理工場建設ありきの政策に固執していることは、国民の安全や財産をないがしろにするものである。

 本会は、今回、原子力規制委員会がこうした事態を無視し、新規制基準に「適合」すると認める審査書案を了承したことに強く抗議し、六ヶ所村再処理工場建設を断念し、核燃料サイクル政策の中止を求めるものである。

以上