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※全国保険医団体連合会では、下記の要望書を総理、財務大臣、厚労大臣、経済産業大臣、内閣府特命担当大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:186KB]

【要請書】新型コロナ感染拡大のもと、
地域歯科医療を守るための緊急対応を求めます

2020年5月27日
全国保険医団体連合会
歯科代表 宇佐美 宏

 

 貴職におかれましては、国民の生命と暮らしを守るため、日夜国政の重責を果たされていることに心より敬意を表します。
 本会は、医師・歯科医師10万7,000人(うち、歯科医師4万2,000人)で構成し、国民医療の向上と保険医の生活と権利を守るために活動している団体です。
 この度のコロナ感染拡大の影響で、収入が大幅に減少したために、歯科をはじめ必要な医療の受診が困難な患者さんが存在します。感染予防のためにも口腔ケアは必要です。今こそ、お金の心配をせず、歯科治療ができる環境づくりが求められます。
 新型コロナウイルスの感染拡大の下でも、歯科医療機関は、患者さんと医療従事者を感染から守ることに十分留意しながら、診療を続けています。
 ところが、患者さんの受診手控えなどのため、4月以降、歯科医療機関は大幅な減収となっています。このまま推移すると6月以降の医院経営に深刻な影響がでることは必至です。すでに休業を余儀なくされている歯科医療機関も存在します。また、歯科医療機関の患者減や休業は、同時に歯科技工取引の減少を意味し、歯科技工所の経営難にも直結します。
 このまま事態を放置すれば、地域医療を支える歯科の医療機関および歯科技工所が地域から消失していくことになりかねません。
 患者さんが必要な歯科医療を受診できるためにも、歯科医療機関・歯科技工所が経営破綻を起こさないためにも、ただちに下記事項の実現が図られるよう、強く要望致します。

(患者さんの医療確保)

一、 新型コロナ感染拡大の影響により収入が減少している患者・国民が多く存在していることから、受診抑制が生じないよう、新型コロナ感染の影響が収束するまで、窓口負担金を免除すること
一、 低所得者及び収入が減少した世帯の医療保険の保険料の徴収はただちに猶予し、一定所得以下については免除すること

(歯科医療機関・歯科技工所の経営破綻の阻止に向けた緊急対応)

一、 歯科医療機関・歯科技工所が経営破綻を起こさないよう、減収分を全額補填すること。補填の方法については、例えば、災害時と同様に前年度の診療報酬支払額に基づく概算請求等を認めるなど迅速かつ確実に実施できるようにすること
一、 新型コロナ感染拡大に対応した院内感染防止対策のための財政措置や診療報酬上の評価を行うこと
一、 医療用マスク、消毒液、ディスポーザブルのガウン、ゴーグル、フェイスシールドマスク、手袋などの確保を行うこと。歯科技工所についても行き渡るようにすること
一、 公費負担で歯科医療従事者に新型コロナウイルス検査を定期的に実施できるようにすること
一、 厚労省として、感染予防のためにも必要な歯科受診は必要であること、歯科医療機関は感染防止対策に講じていることを、国民に向けて積極的な広報活動を行うこと

以上