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※全国保険医団体連合会では、下記の要望書を厚生労働大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:160KB]

【声明】第2次補正予算の成立にあたって
国会会期を延長し、すべての医療機関への支援措置を求める

2020年6月12日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 新型コロナウイルス感染拡大の影響による4、5月診療分の大幅な減収で、医療機関の経営は深刻な危機に陥っている。このままでは、第2波の前に、経済的理由による地域医療崩壊がおきかねない。
  本日、参議院本会議において、新型コロナ感染症対応のための第2次補正予算が可決成立した。しかし、第2次補正予算には、医療体制確保のために不可欠な4、5月診療分の減収への対策がまったく含まれていない。
 政府は、申請に基づき5月診療分の一部を概算前払いする対応をとったが、これは融資等を受けて7月以降に返金しなくてはならない。さらに、5月診療分の減収には何の対策も取られていない。「概算前払い」の申請は6月5日で締め切られたが、申請した医療機関は、わずか1500件程度と伝えられている。この対策だけでは、第2波に備えた医療機関の立て直しは不可能だ。
 当会が4月末から5月中旬にかけて行った緊急アンケートでは、保険診療収入が減少した医療機関が約9割にのぼり、30%以上減収となっている医療機関は約4分の1に及んでいる。直近に行われた保険医協会のアンケートでは、5月はさらに減収の状況が悪化していることが明らかとなっている。感染症患者を受け入れている医療機関はもちろん、一般病院、医科・歯科診療所でも感染拡大防止のための費用増や患者減により、日常診療の継続が困難になっている。
 地域医療は病院・一般診療所の連携、役割分担で営まれており、個別医療機関が立ち行かなくなれば、その地域の患者さん、住民への医療提供に影響を及ぼす。
 第2波に備え、感染症患者への医療提供はもちろん、日常診療の維持、確保のために、感染症患者の受け入れの有無にかかわらず、減収に苦しむすべての医療機関への財政支援が緊急に求められる。
 以上のことから、国会会期を延長し、以下の事項の実施を強く求める。

一、 医科・歯科医療機関が経営に破綻を来さないよう、
@ 4月、5月診療分の減収額に応じた医科・歯科医療機関への概算払いや支援金の制度を設けるなどの措置を早急に行うこと
A 6月診療分以降についても、概算払いや診療報酬の引き上げなど医療体制確保のための措置を速やかに行うこと
一、 受診抑制によりガンなどの重大疾患、慢性疾患、歯周病の悪化などが危惧される。国民に適切な受診を促すよう政府が新聞、テレビ等を活用してアナウンスすること

以上