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※全国保険医団体連合会では、下記の要望書を総理、厚労大臣及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:160KB]

【要請書】国会を止めず、第2波に備えたさらなる対策を
すべての医療機関への支援措置をあらためて求める

2020年6月18日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 第201回通常国会が閉会しました。新型コロナ感染拡大の影響が続く中で、困難に直面している国民の暮らしや雇用、経済をどう立て直すのか、第2波に備えた感染症対策の抜本的強化、医療提供体制の立て直しなど、課題は山積しています。しかし、政府は会期延長を求める野党の要求にも応えず国会を閉会しました。閉会中でも徹底した審議を行うとともに、臨時国会を早期に召集し、第3次補正予算の編成など、さらなる対策を国会で審議することが求められます。6月10日には、那覇地裁で、憲法53条により国会議員が内閣に臨時国会の召集を求めた場合、内閣が国会を召集する憲法上の法的義務を負うと認めた判決が出されています。判決を重く受け止め、今後、臨時国会召集の求めがあれば、前回2017年6月〜9月のように野党の臨時国会開会要求から逃げるようなことはせず、政府・与党はしっかりと応じるべきです。
 通常国会で成立した新型コロナ感染症対応のための第2次補正予算では、医療・福祉の提供体制の確保に2兆7,179億円の予算が確保されました。しかし、喫緊の課題である医療機関への損失補填・財政支援については、「資金繰り支援」に留まりました。
 感染症患者を受け入れている医療機関はもちろん、一般病院、医科・歯科診療所でも感染拡大防止のための費用増や患者減により、日常診療の継続が困難になっています。また、新規開業の医療機関では、融資の返済や家賃、人件費など固定費の負担が重くのしかかっています。受診控えによる患者さん、国民の健康悪化も懸念されます。当会の会員医療機関からは実際に、受診控えによる重症化の事例が寄せられています。
 国による社会保障費抑制策のもとで診療報酬が低く抑えられ、医療機関の経営はもともと厳しい状況におかれていました。そこに今回のコロナ危機が直撃しました。地域医療は病院・一般診療所の連携、役割分担で営まれており、個別医療機関が立ち行かなくなれば、その地域の患者さん、住民への医療提供、健康の確保に影響を及ぼします。加藤厚生労働大臣も第2次補正予算の国会審議において「国民の命と健康を守る基盤である医療機関が立ち行かなくなることが起こることがないように」「十分な予備費も積んでいる」と答弁しています。そうであるならば、今、危機に直面している医療機関に対し、直ちに国の責任による迅速かつ大規模な財政支援を行うべきです。以下の事項の実施を強く求めます。

一、 医科・歯科医療機関が経営に破綻を来さないよう、閉会中審議はもとより臨時国会も早期に開会し、第2次補正予算の予備費の活用、第3次補正予算の編成により、減収額に応じた医科・歯科医療機関への概算払いや支援金の制度を設けるなどの措置を早急に行うこと

以上