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※全国保険医団体連合会では、9月に実施が予定される薬価調査(21年4月開始の毎年薬価改定)及び毎年の薬価調査・薬価改定の中止を改めて求める会長声明を発表し、総理、厚生労働大臣、全国会議員及びマスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:143KB]

【声明】薬価調査・薬価改定の中止を改めて求める

〜政府は医療界の切実な声に応えるべき〜

2020年7月10日
全国保険医団体連合会
会長 住江 憲勇

 

 2021年4月の薬価改定に向けた薬価調査について、本会は6月9日、薬価調査と薬価改定の中止を求める政策部長名声明を発表した。
 毎年の薬価改定に伴い薬価がこれまで以上に高止まりする恐れ、とりわけ今回の通常と大きく異なる状況の下、薬価調査を行うことで信頼性に乏しいデータが抽出される懸念などを指摘するとともに、コロナ再到来に備え、医療提供体制の再建・整備に向けて医療機関への支援に全力を注ぐよう求めたところである。

 医療界では、今回の薬価調査・薬価改定について見送り・中止を求める声が相次いでいる。他方、8日に公表された「骨太の方針2020」の原案には、今回の薬価調査・薬価改定に関わる記載はないものの、西村経済再生担当大臣は「骨太方針2018、2019等の内容に沿って…社会保障制度改革を進める」旨を記載している点をあげ、予定通り調査・改定を実施する構えと説明している。

 価格交渉の当事者となる医薬品卸連は、再度に渡り薬価調査は「実施すべきではない」と求め、日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会も連名で調査を「見送るべき」と表明している。病院団体を代表する中医協委員、日米欧を代表する製薬団体も、今回の薬価調査・薬価改定は「実施する状況にはない」と中医協で表明している。更に、医薬関連産業労組が協同連携を行うヘルスケア産業プラットフォームも「延期すべき」と要望している。こうした中、自民党・公明党の与党は、来年の薬価改定について慎重に検討するよう政府に提言するに至っている。
 新型コロナウイルス感染症への対応を最前線で担う医療現場、医薬品業界などでは、流通現場の実態やコロナ対応への注力に鑑みて、今回の薬価調査・薬価改定は延期・中止すべきというのが共通の認識になっている。政府は、こうした医療界の切実な声に応えるべきである。

 依然、コロナ感染拡大に伴い、医療界全体で混乱が続き、先行きも不透明な中、医薬品の処方・流通環境は正常な状態には戻っていない。再度コロナ感染者数も増加しつつある中、こうした状況が当面続くことも懸念されている。
 改めて、本会は、毎年薬価調査・毎年薬価改定は実施すべきでないと考えるとともに、本年9月に予定する薬価調査と21年4月の薬価改定は中止すべきと強く要望するものである。

以上

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