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※全国保険医団体連合会では、原子力規制委員会による日本原燃六ヶ所再処理工場新規制基準に適合「審査書」正式決定に対し、公害環境対策部長談話を発表し、マスコミ各社に送付いたしました。(PDF版はこちら[PDF:212KB]

【談話】原子力規制委員会による日本原燃
六ヶ所再処理工場新規制基準に適合「審査書」正式決定に抗議し、
核燃サイクル政策の即時中止を求める

2020年7月30日
全国保険医団体連合会
公害環境対策部部長
野本 哲夫

 

 原子力規制委員会は7月29日、原発で生じた使用済み核燃料からプルトニウムを取り出す日本原燃の六ヶ所再処理工場が、新規制基準に適合しているとの「審査書」を正式決定した。

 93年に着工された同工場は、竣工時期が24回も延期、保守管理の不備、試験運転でのトラブルが続発するなど、技術能力・管理能力が問題視されている。
 非常用電源建屋への雨水流入を14年間も点検していなかっただけでなく、「異常なし」と虚偽の日誌を作成したり、審査が事実上終わり、意見公募の受付期間が過ぎた今年6月末になって、原燃は放射性廃棄物の不適切な保管状態を改善していなかったと規制委に報告したりするなど、相変わらずずさんさが露呈している。公募意見でも原燃には基礎的な管理能力に欠けていると言わざるを得ないとの指摘が多数あった。

 そもそもプルトニウム利用を進める核燃料サイクル政策は、「もんじゅ」の廃炉決定により破綻は明らかである。利用目的のない、46トン・原爆6,000発分ものプルトニウムを保有していることは、国際社会から不安視されている。
 一般の原発でプルトニウムを消費するためにプルサーマル計画を推進するとしているが、これも実施しているのは、予定の4分の1以下の4基のみである。しかも、プルサーマル計画自体が、高レベル放射性廃棄物である使用済みMOX燃料を発生させることも大きな問題である。

 再処理工場の操業は、事故のリスクを増大させ、放射性物質を放出し環境汚染しながら、不要なプルトニウムを増やすものである。

 本会は、今回、原子力規制委員会がこうした事態を無視し、新規制基準に適合しているとの「審査書」を決定したことに強く抗議する。
 六ヶ所再処理工場建設を断念し、核燃料サイクルを即刻中止し、再生可能エネルギーをベースロード電源とする政策に切り替えるべきである。

以上

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